終章 第四話 人の心の光と闇
「はあああああああああッ!」
ルミナリアの清浄な神波動が高まり、神波動増幅器を満たしていく。
「まずいです・・・」
ダニエルが、何かに気付いた。
「旦那様・・・!このままだと・・・ルミナリアお嬢様の神波動が、相手に押し負けてしまいます!」
「言っている場合か?ファルフは、すでにやっているぞ!」
ファルフは、ルミナリアに神波動を注ぎ込んでいる。
「負けるな!あなたは・・・「間違った愛」で苦しむことのない世界を創るんだろう!ここで倒れてどうする!」
「ここで、倒れたら・・・負けよ!」
皆が、続く・・・
しかし・・・
「どうしましょう・・・ライテス卿・・・ここにいる私たちの力じゃ足りない・・・」
滝川クリスタルが、ライテスを見た。
「仕事をお願いします。」
「仕事?」
「あなたの仕事は・・・ジャーナリストだ。」
ライテスは、呪文を唱える。
「これで、我々の・・・そしてあなたの声が世界に流れる。現状を世界中の人々に伝え、「力」を集めていただきたい。」
その時間、世界中の人々はルミナリアとハルカ博士の戦いの場面を見ていた。
『世界中の人々よ!私は、トラルティールの神聖騎士ライテス。今、天空の勇者ルミナリアが、世界を滅ぼそうとする超魔王と戦っている!超魔王は、『人間』の全ての感情を悪と断定し、消去しようとしている!超魔王は、「力」では倒せない!彼女の絶大な力を消し去るには、皆様の「心」が必要なのだ!』
海上で、海軍を率いていたヘクセンティアール王や、ルーシャート王もその「声」を聞く。
「キティルハルムの民よ!第一王女プリシラが、要請します!魔法力でも気でも、神波動でもいい!ルミナリア・ライテスに「力」を!」
キティルハルムでは、祖母ノワール二世と母キティ二世の留守を預かる第一王女プリシラが、国民に声をかけていた。
トラルティールでは・・・
「国民の皆さん!祈ってください!騎士団の・・・そして勇者たちの勝利を!」
ミリエールが、国民に呼びかける・・・
『こんにちわ。滝川クリスタルです。超魔王ガルアレートは、自らの研究を否定されたかわいそうな科学導師でした・・・被害者だったのです!けれど・・・だからと言って、「現在の皆様」や「未来の人々」の幸せな未来を破壊する理由にはなりません!神波動を天空の勇者に送ってください!無理なら魔法力や気でも構いません!今、誰よりも優しい女の子が、たった一人で過去の怨念を消そうとしています!でも、突入部隊の支援だけじゃ足りません!お願いです!』