終章 第三話 それは、「人を捨てた者の証」
ルミナリアの神波動が、高まっていく。
急降下しつつ、斬りかかる。
「覇王天竜剣!」
その勢いは、止める事ができない。
「!!!」
その一撃は、ハルカ博士の下腹を切り裂いていた。
すぐさま、剣を収め、両手を傷の中に潜り込ませる。
「!!!なにを!?」
「あ・・・あった!コレだ!」
ルミナリアは、「それ」を両手で掴むと、力任せに引っ張り出す。
「なぜ、コレのことを・・・!?」
「エレノラ邸のエレノラの遺書で語られていた!もともと、エレノラとあなたは、互角の実力だったのに、戦ったとき、遥かに強くなっていたのは、「何か」で強化しているからではないかと!」
「ルミナリアお嬢様・・・!」
グレイが、息を呑む。
「そう・・・それこそは、「魔法力増幅器」・・・いや・・・今は、あなたと共に進化していて「神波動増幅器と化している!」
「何をする気!?」
「知れたこと!」
次に、ルミナリアが言った言葉は、衝撃的だった。
「コレを使って、あなたの「邪気」を全て浄化する!」
「ルミィ!さすがにそれは・・・!」
フローラが、口を挟む。
「おやめくださいフローラ様!」
「グレイ!止めないと!あの子・・・いつも、他人のことばっかで!」
人型になった(かなりの美少女だが)グレイが、遮る。
「フローラ様のルミナリアお嬢様に対する友情は、存じ上げています!しかし、その「ご心配」が逆にルミナリアお嬢様を傷つけてこられたのをご存知ですか!?」
「えっ!?」
「私は、生まれてこのかた、ルミナリアお嬢様に仕えてきました!故、フローラ様がいかにルミナリアお嬢様を「友」として「従姉妹」として大事に思ってこられたかを存じ上げています!しかし、時として、それはルミナリアお嬢様にとって、苦痛になっていた時もございました!ですから・・・ですから・・・これ以上は・・・」