終章 第一話 守りたいものがある
「現実であっても・・・」
「フィクションであっても・・・」
「「愛に裏切られた・・・そこから始まる・・・」」
ルミナリアの表情は、険しい。
しかし、どこか優しい・・・
「炎連弾!」
聖鳳凰の力を借りる術だが、どちらかと言えばルーンガドリングのような術である。
しかし、術は無効化される。
ディスペルのように、魔法力の遺伝的な流れを使用したものではない。
「この世界は、一握りの天才が動かしてきた。でも、俗人たちは何をしたかしら?疎み、蔑むのはまだいい。足を引っ張るだけ。支えるとほざきながら枷にしかならないことをして、気付かないでいる。」
ハルカ博士は、ルミナリアを見た。
「本当に排除しなければならないのは、そういう人たちじゃなくて、そういう思想じゃないの?なのに、そのために多くの人が、死んだり哀しんだりするのは、間違っている!」
ルミナリアの言葉に、ハルカ博士の表情が変わった。
「その言葉・・・昔にも言った女がいた・・・まさか・・・そうか・・・くくく・・・私は、三度同じ女と戦うことになろうとは!」
「!!!」
ルミナリアは、頭の中で仮説を組み立てる・・・
パズルが完成する。
「魔女エレノラ・・・!彼女は、勇者ルミナリスの前世の姿・・・そして・・・私は・・・」
「そう・・・再び、私の下に訪れた!」
「なら、負けるわけにはいかない!」
ルミナリアは、剣を構えた。
「あなたのいう通り、バカばっかだわ。父上が言ってた。「回答者の目の前に広い道がある。右折する道があり、その先に財宝がある。ゆえに出題者は、こちらに回答者を行かせたい。直進路には、酷い罠が待っている。そのため、出題者は直進路にバリケードを築き、無理にでも右折させようとする。しかし、回答者はいつまで経っても右折路に気付かない。バリケードを破ったり乗り越えたりして、直進路を進む。」ってね。その結果を私は幸せと認めることはできない。」
「理論的ね・・・」
「でも、あなたは・・・!」