終章 天空の勇者と破滅の超魔王
「やられたわ。あなたの父上に。」
ハルカ博士は、ルミナリアを見た。
「どういうこと?」
「一度、あなたに「攻め込ませた」のは、レミナリアの奪還だけだと思う?」
まるでわからない。
「「成長型人工知能」は、一度「戦った」相手には、次には「ましな」戦い方をするという・・・」
「AIって言っていたわ。」
「「地球」の言葉ね・・・ところで・・・いいの?私を倒して。」
ルミナリアは、剣を向ける。
「そう・・・私を倒してしまえば、「許されざる愛」に苦しむ者が増えるわ。「私」という名の「枷」がなくなるから。そうすると、あなたは・・・あなたたちは、純粋な「戦闘」という意味ではなく、そういった「悪」と戦い続けなければならなくなる。未来永劫に・・・人は、「光」だけ浴びていればいいわけじゃないわ。」
「私には、覚悟がある!だから、あなたを倒さなければならない!私は戦う!」
「いい覚悟ね!」
ハルカ博士は、黒い神波動弾を無数に撃ってきた。
「くッ!」
「!!」
ファルフと、レミナリアは、神波動で防御に徹する。
「相殺するまでのこと!」
ルミナリアは、黒い神波動弾を、同じ数だけぶつける。
「こ・・・これは・・・」
「どんな人格者で、押さえ込める人でも、暗黒神波動に抗するのが精一杯なのに!」
ファルフとレミナリアは、目を見開いた。
「「空」は、明るいだけじゃないでしょ?」
そういう、ルミナリアの目はどちらかといえば、憂いを湛えていた。
「そして・・・暗黒神波動のもう一つの姿・・・それは・・・」
ルミナリアは、風竜鳥に変る。
「「哀しみ」・・・」
ファルフは、感じていた。
痛いほどの「哀しみ」を・・・
「すべての生物は、夜行性のような例外を除いて夜は、眠ります・・・
あなたの言うように、辛いことだらけです。
だから、身体と共に「心」を休めます・・・
だから私は「夜景の化身」・・・
今日、負った心の傷も、明日には和らぎます・・・
明日、明後日・・・
そして、いつかは癒える・・・
でも・・・」
ルミナリアから、炎のように光の神波動が溢れてくる。
「皆の心の傷を癒させないのですか!?
永劫に、心を疲弊させるのですか!?
私は・・・
私は、子供の頃誓った・・・!
「みんなの笑顔を守る」と!
それは、自分自身の「愛」を許しても変らない!」