第七章 第十七話 人と神の狭間にいる者
フローラは、巨大な斬馬刀を振り回していた。
「君・・・女の細腕で、よくこんなものブンまわせるね・・・」
ファレンは、毒づいた。
『くッ・・・混雑種とはいえ、なんて腕力だ!』
「要はね・・・「自分にして欲しいこと」だって、「相手にしてあげなければいけないこと」は、必ずしも一致しないってこと!」
後ろで、三姉妹が固まっているが、見なかったことにする。
「特に、ありがた迷惑な神様が、多いのよ・・・「人間」同様に・・・」
フローラは、斬馬刀で斬りこむ。
ファレンは、かろうじてかわしていく。
「特に、「愛」や「欲」に関連する神様は、「光」属性でも「闇」属性でもね・・・叔父様が「地球」の絶食系の守護神・女神アルテミスに加護を求めた男の話をしてくれたことがあったわ。いっそすがすがしかったけど。」
「くッ!」
「でもね・・・」
ぶわっと、フローラの神波動が膨れ上がった。
黒く変化し、清浄なものに替わる。
「私・・・そんな想いをあの子だけにさせていた!だから・・・あの子が幸せになる邪魔をするあなたたちを許さない!」
そのまま、武器を振りかぶる。
「覇王神滅斬!」
ファレンを切り裂く・・・
同時に、武器は分解され、元に戻る。
フローラは、力が抜け、へたりこむ。
それをフォルフは、優しく支える。
「やめてよ・・・」
少し微笑む。
「惚れちゃうじゃないの・・・」
「ぜひお願いします。「彼氏」を所望していると、ルミナリア卿からお聞きしましたので。」
「あの子・・・ホント・・・他人のことばっかなんだから・・・」