第七章 第十三話 最強の成り上がり者
「いくぞ!」
ライテスは、神波動を発現。
黄金竜鳥となる。
「覇王十字剣!」
「な・・・これは・・・!」
剣で受けたウォルストだが、ライテスのもう一振りの刀に驚愕する。
「これなるは、ヒヒロカネの刀・「顎」。そして・・・」
ゆらりと、構える。
「トラルティール騎士団傍流・・・トラルティール二天流。」
ライテスは語る。
「かつて、「日本」では、刀だけで戦う歩兵・「侍」がいた。通常彼らは、二本の刀を持っていたが、これを「攻撃」と「防御」に使用した剣士がいた。彼の名は「宮本武蔵」。その剣技を私なりに再現してみた。」
「・・・ッ!」
ウォルストは、気付いた。
このままでは、やられると。
「貴様に何がわかる!親の期待に潰されて、「魔王」になった男の苦しみが!」
「おや。「そんな男」を倒したため、心に傷を負って、騎士を辞めた勇者の女のほうがよっぽどましだが。まあ・・・「地球」で読んだWeb小説では、息子のためにサプライズなプレゼントを用意して「好きに生きていい」と言っていた男が、「親に期待されていない」と早合点したまま育ち、勝手に駆け落ちした話があったな。お前は、その「親不孝な」男に似ているな。」
「はあッ!」
ウォルストの神波動が、噴出。
ドラゴンの翼と、角、尾が目立つ。ただ、漆黒だ。
なにか禍々しい。
「異界の悪魔竜か。「地球」では、「魔王」を統べる「大魔王」の姿だとされるがな。」
ライテスの神波動が、黒く変っていく。
「そうそう・・・その小説の「父親」な・・・「息子」を相手の婿にしようとしたのだ。が、若過ぎたのでな・・・友人である女王に預けようとしたのだ。時がくるまでな。が、相手は自分と「息子」を引き離して婿養子にしようとしたのと早合点したのだ。こんな話をしたため娘は、「絶食系」になってしまい、私自身後悔したが・・・そんな娘を受け止めてくれる男がいて一安心といったところだ。」
そのまま、清浄な色に変っていく。
「これなるは、「混沌神波動」一握りだが、「人間」には所属問わずできる者もいよう。」
「聞きしに勝る「親バカ」だな!」
「おや・・・?娘には「世間の役に立っているくせに親父ギャグばかり言っているアホ親父」と言われているが?」
そのまま飛翔して、交互に刀を振るう。
「あえて言おう!私は、「それでも守りたい世界がある」と!」
次の一瞬、ウォルストは四等分に、斬られていた。