第七章 第十一話 歴史の黒幕の最期
「君らは、なんなんだ!」
「何って・・・」
「「猫」ですがなにか。」
キレるカピバラに、そう返答するしかないノワール二世とミスティ。
「そうそう・・・ライテス卿が話されていた「地球」の「日本」で「飼い主」の仇を討つために人猫になって復讐をした猫の伝説を思い出しました。魔法と妖術で、仇の家中の者たちを皆殺しにしていくんです・・・もちろんフィクションですが。」
「妙にリアリティあるね・・・その話・・・特に「猫の女王」である君が言うと・・・」
「ありがとうございます。」
ノワール二世の神波動が、どす黒く変っていく。
「なんだコレ!」
「やると、破壊衝動がすごくなるんですよ・・・でもね・・・」
ある一点で、神波動は、清浄なものに替わる。
「無理矢理押さえつけると、妙に楽になります。あえて言うなら・・・「混沌の悟り」といったところですか。」
「なんなんだ君は!」
「「猫」です。」
ノワール二世は、呪文を唱える。
「な・・・これは・・・「炎」「闇炎」「闇」・・・」
悠久の図書館を振り下ろす。
「爆炎大燃焼!」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああッ!」
絶叫と共に、カピバラは燃えていく・・・
「猫はね・・・」
ノワール二世は、それを見つめる。
猫さながらに目を細めて・・・
「執念深いんですよ・・・」
その声は、ミスティさえも底冷えするほど冷たかった。