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第七章 第八話 鼠の大魔王
「因縁の対決・・・といったところだね。」
そう言った相手の姿は・・・
「あなた・・・大魔王になったはずなのに、「カピバラ」ですか・・・」
「カピバラですね・・・」
「進化」したはずなのに、緊迫感がない。
「窮鼠猫を噛むってね・・・ご先祖様にも言ったことだよ。」
「そうですね。」
ノワール二世は、左腕の裾を捲くる。
そこには、オリハルコンの手甲が・・・
じゃきんっと音がして、爪が跳ね上がる。
「しかし、それを食い殺すのが「キティルハルムの民」です。」
「「爪」は、ないんだね。」
「「人間」生活が永い為、「退化」してしまいました。ただし、身体能力は落ちていないので、こういう「武器」を使用します。これなるは、「猫の女王の爪」です。」
ノワール二世は、悠久の図書館で殴りかかった。
「わッ!」
とても、「鈍器」をぶんまわしているとは思えないほど速い。
「だッ!」
実験用マウス一号改め、大魔王カピバラ(仮)は、右手に神波動を集める。
「はッ!」
カピバラの放ったそれを、ミスティが神波動の盾で防御する。
「考古学者と思ってなめていただいては困ります。」