第七章 第二話 遺跡探索
ノワール二世は、エレノア邸で、ノワール女王の「忘れ物」を物色していた。
「「溶解人間べろっち」「金属バット」「別人28号」「ケケケの毛太郎」「超事故要塞マックロス」「デブルマン」・・・いろいろありますね・・・使い魔時代の初代陛下は、大変な「アニメおたく」だったようですね・・・」
言いつつ、ほくほく顔のノワール二世。
「あくまで、歴史の資料なんですよ陛下・・・」
ミスティがたしなめる。
「この写真など、いいですね・・・」
猫姿で、再生機にディスクを挿入する、「初代」の写真・・・
「建国期の写真は皆、寂しそうでしたからね・・・」
「ええ。確かに晩年は、「子供たち」に囲まれて、幸せだったでしょう・・・しかし・・・」
「主人と祖国を失い、お辛かったでしょう・・・」
「そうですね・・・望んだことではないのに「一つのものを得て、全てを失って」しまったのですから・・・」
ノワール二世は、ぐるりと部屋を見渡した。
「この完璧に残った家を見ると、当時の初代陛下が、いかに幸せだったかがわかります。主人や同僚と共に働き、時にくつろぎ・・・」
「「国破れて、山河あり」か・・・」
ミスティは、ぽつりと呟いた。
「「地球」の故事ですね。」
「ライテス卿が、おっしゃっていました。「国は滅びたけれど、大自然は残っている」という意味でだそうです。」
「さて・・・資料は回収しました。戻りましょう・・・」