第六章 第六話 変形
『艦内重力システム良好!』
「突撃準備に備える!強行型へ変形!」
「「「「「変形!!?」」」」
勇者たちは驚いた。
「この艦は、格闘が可能なのだ。」
ホープメイカーは、艦首を直上に上げていき、両舷にあった甲板を左右に展開してゆく。
後部スラスターが下へ折れ曲がり、これも左右に分かれ、見た目脚部のように見える。
『強行型への移行、完了!』
「よし!艦首砲・神波動閃熱砲発射準備!」
「敵航空部隊多数!エネルギーチャージまで間に合いません!」
「くッ・・・溜めに時間がかかるのが難点か・・・」
ライテスが、歯軋りする。
「どういうこと?父上。」
ルミナリアが尋ねる。
「戦略上、あの隔壁を破らねばならん。」
モニターに、パスキールパレスの城壁が映し出される。
「しかし、分析の結果、隔壁はハニカム状で、更に神波動結界が展開されている。ゆえに、こちらはそれを上回る攻撃でぶち抜かねばならない。が、敵はそんなことはお見通しのようだ。」
「そうです。空の魔物や、攻撃兵器を投入してきているです。」
オトが、冷静な表情で分析している。
「って・・・妃殿下!何をそんな冷静に・・・」
フローラが怒鳴る。
「大丈夫です。想定済みです。なぜ「あの議場」でライテス卿が、秘匿兵器であるはずの「アメノウキフネ」と「キング・ライル」の情報を開示したと思うですか?」
「ま・・・まさか・・・」
「そうさ。「味方」の後方支援は基本だろ?」
タケルが言った。
「そろそろあの子も、来る頃ですね。禁欲でおかしくなっていなければいいけど。」
ノワール二世も言う。
「自分の娘を色魔みたいに・・・」