EX3 ティアムルの剣
「あのさ・・・これ、見てもらいたいんだけど。」
エルザが、一振りの剣を見せた。
「呪われてます。」
ライテスの一言。
「え?私・・・なんともないんだけど。」
「義姉上・・・辻斬りでもしたんでしょう?怨念がたっぷりですよ。」
「ちょっと・・・」
ノワール二世が、剣を見る。
「これは・・・名高き「ティアムルの剣」ですね・・・トラルティール分裂戦争の直後、ニウ二世の手を借り、ティアムルが封印したとされます。呪いをものともせず、使える子孫が大魔王たちと戦うときに備えてね。」
「では、私には扱えませんね。しかし、もう一振りの刀「顎」がありますが。」
「しかし・・・ライテス。どういう戦略をたてているの?」
「フフフ・・・奴ら、ルミナリアたちとの戦いで、一度「勝った」と思うでしょう。が、そこからが勝負。連合軍の全兵力を集中します。」
「じゃあ・・・勇者たちは・・・「陽動」?」
「と、威力偵察でしょうか。ルミナリアたちには伏せてあります。全員の勇者は知っていますが。」
「どういうこと?」
聞く、エルザにライテスとノワール二世が互いを見る。
「これだけが今言えます。「天空の勇者」を覚醒させることが、最重要機密であり、第一段階の作戦なのです。」