第五章 第四話 超魔王誕生のいきさつ
ハルカ博士の手記より
「好きです!」
「はい。あなたは、減棒。少し浮ついてるわね。」
ハルカ博士の助手・クレスは、彼女にアタックするも玉砕していた。
「今度の休日、一緒にどこかいきませんか?」
「有給あげるから、一週間休みなさい。疲れてるからこんなふしだらなことを言うのよ。」
誰がどう見ても、ハルカ博士は「そういった話題」を「論外」としているのは明らかだった。
「なあ・・・もうやめたほうがいいって・・・」
クレスの同僚は、見かねて忠告した。
「博士は、それを「邪道」としているんだよ。」
「じゃあ、どうすれば・・・」
「あきらめろ。そうすれば、「人並み」につきあってくれる。男と女の話は論外だ。ま、息抜きの世間話ていどなら聞いてくれるだろ。」
「そうさな・・・他の誰かと、「そういうこと」になったら、普通に祝福してくれるだろ。あの人は「自分」が恋愛しちゃいけないんだとさ。」
「な・・・なぜですか・・・!」
左腕を切り落とされたクレスは、半狂乱になってわめいていた。
「決まっているでしょ?あなたは、私の研究を泥で汚して、皆への利益を潰した。」
「僕は、こんなにあなたを愛しているのに!」
「ふしだらな子ね・・・」
片手式の電動鋸を手にハルカは近づく。
抑揚もなくいうと、ハルカは、右腕を切り落とす。
「う・・・うわあああ!」
「今、どれだけの人が、この研究を必要としているかわかっているのかしら?私は、「そんなくだらない」ことをしているヒマはないの。」
言うと、右足、左足を切る。
「なんでくだらないんですか!」
「皆のために働く私には、無駄なものだからよ。困るわね・・・私に「強要」するなんて。」
次の瞬間、ハルカはクレスの首を切り落とした。
「これが・・・きっかけ・・・」
フローラは絶句した。
「ハルカ博士のしたことは、よくないことね・・・でも理解できるな。」
「同感だ。」
ルミナリアとファルフが、言う。
「わかるの!?これが!」
ノクターンの「エルフ古代文明史」で書ききれなかった部分です。