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淡雪  作者: 蒼い月
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再会&告白の夜

翔汰「いえ、昨日は恵美を送って行っただけだったし、今日も仕事だったので…すいません…」


お母さん「今度は、ちゃんと寄りなさいよ?翔くんの好きなの作ってあげるから♪」


翔汰「はい。その時は寄らせてもらいます。」


恵美は、笑いを堪えるのに一生懸命らしいが堪えきれてなく笑っていた。


翔汰「お前、笑うなよ!」


恵美「だって、お母さんの第一声が、挨拶になってないんだもん」


お母さん「あら、私は挨拶したわ。ねぇ、翔くん」


翔汰「いや、あれは挨拶というより、ある意味で文句ですね」


お母さん「酷い…」


久しぶりの三人での会話に翔汰は懐かしさと嬉しさを感じていた。


翔汰「恵美は珈琲。お母さんは、珈琲ダメだから紅茶で良いですか?」


恵美・お母さん「うん♪」


お母さん「ところで、翔くん。私のことは名前で呼びなさいって言ったでしょ!」


翔汰「あっ…すいません、、、そうします」


恵美の母親は、悠子という名前で、お母さんと呼ばれるのは嫌らしい


翔汰「悠子さん、スコーン好きでしたよね」


悠子「覚えててくれたの?」


翔汰「もちろんです。持ってきますね。恵美は今日はチーズケーキだから」


恵美も悠子も翔汰の作るデザートが大好きで以前は、毎日のように食べていたが恵美と別れてからは食べてなく、悠子は楽しみでしかたなかったらしい。


翔汰「お待たせ」

スコーンは、焼きたてを出してくれたらしくイィ匂い

ブルーベリージャムをつけて食べる

チーズケーキは、しっとりしていて、クリーミーで甘さ控えめ


恵美と悠子が幸せそうに食べている顔を見て翔汰は、ホッと胸を撫で下ろしながら紙袋を取り出した。


悠子にあげる為に、家でスコーンなどのデザートを作り持ってきていたのだ。

紙袋を悠子に手渡すと悠子は、凄く喜んでくれ、仕事が終わったら家に来るようにと言い、恵美と買い物へと向かう為に、お店を後にした。


恵美と悠子が帰ってから、お客様が入れ替わり立ち替わりの忙しい時間が来た。

タイミング良く帰ってくれて助かったと翔汰は思いつつ、仕事を頑張った。


そして、閉店になり店長と明日のメニューを話してから恵美の家へと足を向けた。


道中、懐かしい記憶が甦ってくる。

恵美と付き合っていた頃は毎日、通った道・・・

なんだか、新鮮なんだけど懐かしく寂しい感覚になるなぁ…などと浸っていたら恵美宅へと着いた。


玄関先にある、インターフォンを押すと悠子が、「いらっしゃい」とドアを開けてくれた。


この時、翔汰は挨拶をしながら悠子の優しい笑顔を見て、今は亡き母親を思い出してしまい涙目になりそうになっていた。

なんとか、冷静さを保ったものの、思い出した母親の笑顔が優しすぎて切ない気持ちになっていた。


リビングへ案内されると恵美がテレビドラマをガン見している。


翔汰「恵美、お疲れ様」


恵美は、、、無言


翔汰は、苦笑いしつつも心の中では変わらないなぁ…と思いながら恵美とテレビドラマを見つめる


悠子「翔くん、そこに座って♪ビールでイィよね?」


翔汰「はい♪ありがとうございます♪」


悠子は、冷やしておいたグラスにビールを注いでくれた。

翔汰は、ビールを一口、また、一口と飲む働いた後だからだろうか

これがまた、美味しくて止まらなく一気に飲み干してしまった。


悠子「あらあら、翔くん。そんなに早く飲んだら酔ってしまうわよ?」


翔汰「いやぁ、凄く美味しくて…つい…」


悠子は、再びビールをグラスに注いでくれた。


一方、恵美はドラマが終わり、やっと、翔汰に気付いて挨拶をしてくる始末


翔汰「恵美は相変わらず、ドラマ好きなんだな」


恵美「いいじゃん♪いつ、来たの?」


翔汰「お前が、一生懸命にドラマを見ている時さ。挨拶したのに無視されたから、先にビール飲んでたんだよ」


恵美「あっ…ごめんね…気付かなかった…」


翔汰「いいよ。大丈夫。悠子さんが、ビール出してくれたから飲んでたし」


悠子「さっお料理出来たから食べましょ♪」


凄いご馳走が出てきた。

お刺身の盛り合わせ、煮物、ステーキなど…


翔汰「あの、今日は何の日ですか?何かありましたっけ」


悠子「なにもないけど、翔くんに食べてもらいたかっただけよ」


翔汰は嬉しさで胸が、いっぱいになりながらビールを一口、飲んだ…

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