あれ?仕事が逆!?
私たちが家に帰っている途中、影から急に人が出てきた。
「京川だな」
「ああ、そうだが?」
「ようやく見つけたか」
私は後ろを振り向いた。そこには十人ぐらいの強面の男の人が立っていた。手には様々な武器を持って。
「なんのようだ?」
「ちょっと用事があってな。ついてきてくれないか?」
「遠慮しておく。厄介事に巻き込まれそうだからな」
私は成り行きをどきどきしながら、見ていた。
どうなるんだろう?警察は来ないのかな?未来なら衛星で見られているからすぐ来るのに
「そうか」
「あぁ。用は以上だな。帰るぞ、ミク」
「そうは問屋が卸さないんだよね」
男の人がそう言った途端、私は後ろから羽交い締めにされた。
「っ!貴様ら!」
「どうする?もう一度聞く。一緒に来い」
「断ったら?」
「斬り殺すか、売る」
売るって…?人身売買は禁止されているはず…
「この子は高く売れるだろうな」
「そうはさせない」
そうお兄ちゃんが言った途端、お兄ちゃんの背中から膨大な魔力が出てくるのが見えた。
有り得ない…!魔法が完成したのは22世紀のはずなのに!
「お前らを殺す!」
そう言うと目にも留まらぬ速さで何かを抜いた。直後、乾いた音が辺りに響いた。
「あ~!ウザ!」
お兄ちゃんがだるそうに言った。
「また、これ使っちゃった。警察来る前に逃げないと。ミク帰るぞ」
「お兄ちゃん…足が動きません」
私は目の前で行われた事が未だに信じられなかった。
「はぁ…しょうがないな」
お兄ちゃんは私をおんぶしてくれた。
「さっきのは何ですか?」
「拳銃。未来にはないのか?」
「そんなのはありません。未来では上空にある衛星が監視をしているので、犯罪はほとんどありません」
「便利な世の中になるんだな」
「現在は使ってもいいんですか?それとあの人たちは誰ですか?」
「知らない。所持はいいけど、使用は自己防衛だけなら認められているんだよ」
「そうなんですか。私たちは科学が何でもしてくれますから」
「そっか。ミクは学校に行くか?」
「行きたいです♪学校は行ったことがないので」
「学校はないのか?」
「専門の技術を学ぶ学校はありますけど、普通の学校はありません。全部通信講座ですみます」
「メイドにはどうやってなったんだ?」
「世襲です」
「ありかよ…」
「学校に行けるのですか?」
「交渉はしてみる」
そうこうしている間に家に着いた。
「ふう」
「お兄ちゃん。疲れたんですか?」
「いいや、別に。疲れてないよ。お風呂沸いているはずだから、先に入っていて」
「いえ。お兄ちゃんから入ってください。家の中で一番えらい人から入るべきですから。それに…女の子の入った後のお風呂に入られるのはイヤです」
「うん?最後の方が聞き取れなかったよ」
「いいえ。何でもありません♪とにかく先に入って下さい!」
「命令形ですか…」
「はい♪」
「ミクは小悪魔だね…でもね俺はご飯を作らないといけないから、先に入って」
「うぅ、それではメイドの意味がなくなります…」
「ミクを働かせるわけにはいかないからね。まだ慣れていないだろうし」
私はしばらく悩んだ後
「…わかりました」
私は湯船に浸かった。
ひさびさだな~こうしてゆっくりお風呂に入るのも…一体さっきのお兄ちゃんの魔力は何なんだろう?世界一の魔力保持者である鈴音様の何倍もある。
「あぁ~!もう、わかんない!」
私は自棄になって大声で叫んだ。
その時、風呂場の外から
「ミク。タオルここにおいとくぞ」
とお兄ちゃんの声が聞こえた。しかも扉の前で。
「えっ…」
お兄ちゃんはそれ以上言わずに戻っていった。
「ふぅ。びっくりさせないでよ」
私は体を洗い終わり、外に出ると綺麗に畳んであるピンク色の布がおいてあった。
これ、どうやって使うんだろう?
「お兄ちゃん。どうやって使うの?」
「知らないの?」
「うん」
「それで体を拭けばいいんだよ」
「わかった~♪」
と返事をしたのはいいもののどうふけば良いかわからない…まぁ魔法使おう
私は服の一番上においてあったデバイスを操作して乾燥させた。
「やっぱり、魔法を使った方が簡単だ」
そんなこんなで私がリビングに行くと机の上に湯気をあげた丼がおいてあった。
「おっ。メイドさんだ」
「どうですか?」
「可愛いな」
とお兄ちゃんはいって頭をなでた。
「あっ~!せっかくキレイにしたのに」
「それは、すまなかった。それと俺は今から風呂に入ってくるからその間にラーメン食べておいて」
とお兄ちゃんは風呂場に消えていった。
「ラーメンって私の大好物じゃん!しかも味も豚骨だし!おいし~」
私はあっという間に食べ終わった。
「ごちそうさまでしたっと♪」
私は皿洗いをしてから自分の部屋に入った。そこには、布団がしかれていた。
「私が寝るのをわかっていたのかな?」
私は疲れていたので、すぐに意識がなくなった。
どうも唯です
風邪ひきました…只今38℃です…寝ないと
次話は更新遅くなるかも…