未来から来たのはメイドさん
次に私が目を覚ますと青空は広がっておらず、白色が広がっていた。
ここはどこ?未来に戻れたの?
「おっ!起きたか」
「あなたは誰?」
「俺?」
「そう、あなた」
「俺は京川奔馬。昨日、たまたま公園を通りかかったらベンチの上で倒れてたから、俺の家に運んだ」
「そう。ありがとう」
「しかし、なんで小学生があんなところにいたんだ?」
小学生?私は高校生のはず…
「私は高校生よ」
「そうは見えないんだが…」
と奔馬は言って鏡を持ってきた。その鏡を覗くと小学6年生ぐらいの女の子がいた。
「これが私…」
ついでに言うと胸も平らになっていた。
「うっ…」
「わっ!泣くなよ!」
「う…帰れないのかな…」
「どこにだよ?」
「未来にだよ」
「お前未来からきたのかよ?」
「そうだよ」
私はポケットに手を入れてみた。
「あっ。あった」
私はポケットの中に入っていたものを取り出した。それは超小型のタブレット端末だった(5cm×10cmぐらいの大きさ)。
「なんだそれ?」
「これは…」
私の…力…
「どうしたんだ?何か言いづらいのか?」
「うん…」
「なら、いいや。そういえば、お前の名前を聞いていなかったな」
「私の名前は神崎未来」
「ミクはこの後どうするんだ?」
「どうしようもない」
「……条件が付いてもいいならここで暮らすか?」
「どんな条件?」
簡単な条件だといいな
「お前は未来に帰れるようになるまで生きろ。この条件を絶対守れ」
「それだけでいいの?というか私が未来から来たのを信じているの?」
「一応な」
「なら、ふ、ふつつかものですが、おいて下さい」
お母さんに言われていたとおり私は三つ指をついた。
「ふつつかものは余分だ」
「はい」
「ミクの部屋は…ちょっと狭いけどここで良いか?」
私は奔馬に指さされた部屋を見た。そこはだいたい六畳ぐらいの洋室だった。
「こんな広い部屋貰っていいの?」
私は遠慮がちに聞いた。
「ムダに余っているからな…」
「そうなんだ」
「さてと、ちょっと外にでるか。買い物行くぞ」
そういうと、奔馬は外に出て行った。
「待ってよ。お兄ちゃん」
私は慌てて追いかけた。
「そのお兄ちゃんってゆうのは俺のこと?」
「はう!そ、そんなんじゃ…」
みるみるうちにミクの頬が朱に染まっていった。
「ミクの好きな呼び方でいいよ」
「はう。な、ならお兄ちゃんで」
「そっ」
もっと反応してくれてもいいのに
「そういえば、未来はどんな風になっているんだ?」
「未来は魔法と科学が融合した世界になっている。ただ、最近は魔法勢力が強くなりすぎて、戦争になりかけている」
「未来には魔法があるんだ…ってことはミクも使えるんだよな?」
「一応、少しなら」
ほんとに少しだけね…
「やってみてよ。何か」
「その前に未来の魔法にはいくつかの種類がある。第一種は攻撃型。第二種は防御型。第三種一項は生活型。第三種二項は便利型。第四種は特殊型。の計五種がある」
「ミクは第何種を使えるんだ?」
「私はメイドだったから第三種一項の生活型」
「メイドさんか~…」
奔馬は遠い目をした。
「お望みならここでもメイドをやりますけど…」
「自分の思うようにやっていいよ。俺は何も言わないから。それと生活型はどんな魔法が使えるんだ?」
「そうですね…ご主人様が快適にすごせるように空気中の温度や湿度を調節する事ができます。それと料理を手放しでする事ができます。掃除もです」
「ふ~ん。今使うことってできる?」
「多少なら…」
「ならちょっと気温を下げてみて」
「わかりました」
私はポケットに入っているデバイスを操作して気温を五℃ぐらい下げた。
「お~。涼しい」
「そうですか。ならよかったです。ところでどこまで歩くのですか?」
「後10分ぐらい先にあるショッピングモールまで」
「もう足が棒になりました~…」
「しょうがないな…背中に乗るか?」
「そ、そんな。お兄ちゃんに迷惑はかけれません」
私はわたわたと両手を振った。
「遠慮するなよ。別に困らないんだし」
「で、でも…」
「なら、涼しくしてくれたお礼だ。よっ」
私は体が回転したように思った。
「軽いな。ミク」
私はいつの間にかお兄ちゃんの背中に乗せられていた。
「んじゃ。行くぞ」
「あったかい」
「そうか。それが人間の生きている証だな」
私はお兄ちゃんに背負われたまま、ショッピングモールについた。
「大きい」
「未来にはないのか?」
「はい。皆ネットで買っていますよ。こんな大きな店はありませんよ。あってもかなり小さめの食料品店だけですよ」
「ネットも今よりも発展したんだな…ミクは何が食べたい?」
「庶民的なご飯がいいです」
「庶民的っていわれてもな…なら」
とお兄ちゃんは言って色々な食材を手に持ったカゴに入れていった。私は見るもの全てが珍しかった。
「さて、食材も買い終わったことだし、ミクの服でも買いにいくか」
「そんなのいいです」
「ホントか?」
「たぶん…」
「たぶんだろ。なら買うから。お金も余裕があるから」
「何で私に優しくしてくれるの?」
「悪いか?」
「いえ。あっ!」
私は自分の目を疑った。目の前にメイド服が置いてあったのだ。
「メイド服~♪」
「ミク。それがいいのか?」
「はい!慣れてますから」
「なら、購入っと。追加でなんかネコ耳としっぽもついてきたけど…」
「つけます!」
「…相当な愛着があるんだな」
「はい♪」
私は小躍りしたい気分だった。
早く着たいな~♪
「さて、帰るか」
「はい」
私たちが家に帰る途中で事件は起こった。
どうも唯です
主人公が出てきました