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d+d【先行公開版】  作者: Hilde
【先行公開版】第二章 灯火 - Torch -

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首長会合 - Majlis of Sheikhs - 2

◯バラトール共和国・ケルト市・魔道士協会(ギルド)・校庭


バラトール共和国ケルト市にある魔道士協会(ギルド)


教学棟の広い校庭に、バスのような形状の乗り物が2台停められている。

その横には、カナン地区へ出荷する大量の商品が積み上げられ、コメルコ商会の商人たちが手分けして積み込み作業を進めている。

ルイとジェームズも荷物の運搬を手伝っている。


バスのそばでは、シルヴィアとエーリンが、輸送担当・警護担当・総務担当の3人の女魔道士と挨拶を交わしている。


シルヴィア「おはよう。今日も一日、よろしくね」


輸送担当「よろしく。今日もシオン国から出来るだけ離れて飛ぶわ」


シルヴィア「…ありがとう。お願い」


 ✕  ✕  ✕


第一便の積み込みが完了する。

シルヴィアとエーリン、バスの屋根に腰掛ける。

おしゃべりに花を咲かせながら、女魔道士たち、バスとともにゆっくりと浮遊(フローサド)する。



 ✕  ✕  ✕



◯カナン地区・北ガザ県・上空


「空に障壁(バンド)を張るわね」

警護担当、全員に(キラソ)をかけ、東の上空に障壁(バンド)を張る。


シルヴィア、ルイの作ったシェルターを指し示す。



◯北ガザ県・ベイト・ラヒア市・アル・シマー小学校・校庭


ルイの作ったシェルターの横で、ゾットとマフムード首長が待機している。

少し離れた場所には、カナンの男たち、ムハンマド副首長、大勢の親子が集まっている。


輸送担当、バスをそっと地面に降ろす。


少し遅れて、ジェームズのバスも後に続く。

アッバース国で追加した7つの木箱と、アヴェス・イスマイール・イスマイールの従者、アッバース国軍の若い士官、コメルコ商会のマシューを屋根に乗せたバスを地面へ降ろす。


 ✕  ✕  ✕


シルヴィアとエーリン、マフムード首長と挨拶を交わす。


魔道士たちやアヴェス、カナンの男たちが荷下ろしを始め、次々と荷物を運び出す。


 ✕  ✕  ✕


カナンの男たちの一人が、アッバース国の木箱を運ぼうとする。


ジェームズが、それを止める。

「その木箱は別の場所へ運びますので、そのままにしておいてください」


 ✕ ✕ ✕


2台のバスの積荷がすべて降ろされる。


アヴェスたちとゾットとマフムード首長、ジェームズの指示でバスに乗り込む。


ジェームズ、バスとアッバース国の木箱を浮遊(フローサド)させ、カナン地区の首長たちのピックアップに向かう。


 ✕ ✕ ✕


エーリン、親子連れの集団に手を上げ、フスハー語で説明をする。

「今から子供たちの避難を始めます。

対象は9歳までの子供です。最初は看護が必要な子から受け付けます。どうか慌てず、順に並んでください」


シェルターから、包帯を巻いた子供や砲弾で手足を失った子供たちが運ばれてくる。

続いて、ムハンマド副首長に連れられた孤児たちが並び、その後ろに、幼い子供を連れた親たちが続く。


エーリン、母親に連れられた男の子の腕に、炭で何かが書かれていることに気付く。


エーリン「…これは?」


母親、男の子の肩を抱き寄せる。

「この子の名前です。

私たちは、子供の手足に名前を書いていたのです。

たとえ砲撃で体がばらばらになっても、この子だとわかるように」


エーリン、思わず母親の手を取る。

「…子供たちが向かう先は安全よ。もう砲撃に怯えることはないわ」

母親を励ますように、ぎゅっと手を握る。


母親、目に涙を浮かべてうなずく。

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