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ヒトの感情を食べる魔女と感情を食べてほしいお客の話

感情を食べる魔女と感情を食べられて魔女になった女の話

作者: みそ

城下町の路地裏、そこにある扉の前に、魔女は立つ。ここは魔女がヒトの不要な感情を食うための店だ。

久しぶりの薬草採取のため、数日空けた店に帰り着いたところだった。

今回の採集はなかなかの成果だった。この時期の森は、様々な薬の原料になる薬草が生えている。

この店の魔女はほとんど薬も作らないし、魔法も使わないが、作らないわけでも使えないわけでもない。興味がないわけでも勿論ない。だからたまには採集に出たりもする。

やる気のあるうちに動くに限る。帰ったらとっとと処理をしなくては。

そう思い、扉に手をかけたところで、魔女はぴたりと動きを止めた。

中に誰かいる。

誰かというか、馴染みの気配だ。これは、そう、森の魔女。生まれついての魔女が多い中で、森の魔女はヒトから魔女となった珍しい魔女だった。

気を取り直して、魔女は扉を開けた。



「いらっしゃい」

森の魔女が、魔女の定位置に座って、そう笑った。まるでこの店の主人のように見える。

「ここは私の店よ」

「じゃあ、お帰りなさい。鍵も掛けずに外出なんて、危ないわよぉ」

「施錠魔法より優秀な鍵がこの世にあるなら知りたいわ。ただいま、ひさしぶりね、森の」

「久しぶりねぇ、悪食」

「その呼び方嫌いよ。美しくないわ」

「こんなにお前を正しく示す二つ名は他にないわよぉ。相変わらず詐欺まがいの取引をしているの?」

「そういうのはやめたの。後が面倒だから。今はほら、こうして店を構えてるのよ。不思議よ、感情をくわせてくれってこちらから赴くと拒絶される事が多いけど、こうしてあちらから来るのを待つと、これがなかなかお客がいるものなのよね」

「元気そうでよかったわ」

「特に可もなく不可もなく。それなりに楽しくやってるわ」

魔女は採集してきた薬草を、森の魔女の座る椅子の前、テーブルに並べた。

手伝えともいわないうちに、森の魔女が薬草に手を伸ばし、種類を確かめながら下処理をし始める。

薬作りは森の魔女の十八番だ。

「森の様子はどう?」

魔女も森の魔女の向かいに座り、同じように薬草の下処理をし始めた。茶や菓子は、まだ不要だろう。

「まあ、可もなく不可もなくねぇ。実り豊かというわけじゃないけど、不作というわけでもないわ。例年通りよ。魔法薬もそこそこの数ができるでしょ。卸す?」

「自分用に頂くわ」

「魂喰の魔女は薬を売らないのだったわねぇ。勿体ないわぁ。こんなにヒトの多い場所に店を構えているのに」

「あなたが売れば?私はいいわよ。店の一角に置いてあげても」

「考えておくわ」

薬草をさばいていく森の魔女の整えられた指先を伺いながら、きっとこの魔女は、店の一角で薬を売ったりしないだろう、と魂喰と呼ばれた魔女は思った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おかげで楽できたわ」

全ての薬草の選別と下処理が終わり、魂喰の魔女がそう言って立ち上がる。さっと片付けたテーブルの上に紅茶と茶菓子が差し出された。森の魔女はそれを、不思議に楽しく思う。

「食べなくても生きていけるのに、甘味は食べるのよねぇ。太るわよぉ」

「魔女は太ったりしないものよ。ヒトの感情程刺激的ではないけれど、これはこれでいいものよね。私の血肉にはならないかもしれないけど、まぁ、嗜好品みたいなものよ。酒や煙草やある種の薬のような。あなただって覚えがあるでしょう」

「そういう顧客もいるわねぇ。魔女の」

森の魔女の脳裏に、数人の常連客が浮かんでは消える。魔女は自分で作った魔法も薬も、ためさずにはいられない生き物だ。そうしてためして、作るのに飽きれば他から購入したりもする。特に生まれながらの魔女たちにはその傾向が顕著だった。彼女たちは生きるのに飽きているのだ。成熟して生まれて、長い時間を過ごすことになるのだからそれも当たり前のことかもしれない。

だが、目の前の、魂喰の魔女はそれらの魔女たちからはわずかに外れる。

彼女にとっての最高の嗜好品はヒトの感情だし、魔法も薬も、興味はあれど溺れる事はない。

魂喰の魔女が不思議そうな顔をしながら口を開いた。

「あなた、そういう薬は作らなそうだし売らなさそうなのに、意外と作るし、売るわね」

確かに、森の魔女はそういう薬があまり好きではない。ヒトだった時の感覚だろう。強すぎる薬を怖いと感じていたかつての名残。

「私はあんまり好きじゃないけれど、魔女にとってはただの嗜好品だもの。よく売れるし、高くも売れるし、損がなければ作るわよぉ」

「魔女は楽しいことが大好きだからね。でも、基本的に商売に興味はないものだから、喜んで薬を売ってくれる魔女は稀よ。そういう意味で、他の魔女達にとって、あなたはとってもありがたい存在ね」

「あら?でも、私から一番利を得ているのはあなたでしょぉ?ね、悪食の」

にっこり微笑めば、魂喰の魔女は嫌そうな顔をした。森の魔女はいっそう笑顔を深めて魂喰の魔女に強請った。

「わたしの感情、たくさん食べてきたじゃない。だから、ねぇ、今回も」

「嫌よ。…もう食わないと前回言ったわ」

「了承なんてしてないわよぉ」

「わたしが食べたいのはヒトの感情なのよ」

「ちゃーんと、ヒトの不要な感情よぉ」

「元、でしょう」

「そうよぉ。私がヒトの頃から幾度となく食べてきて、「食べられる」ことは折り紙付きじゃない。どうしてそんなに嫌がるのぉ?」

「どうしてですって?」

魂喰の魔女はなんとも言えない顔をして、こちらを見つめている。

彼女が何を思っているか知っている。彼女は、森の魔女の感情を食わなければよかったと後悔しているのだ。ヒトの身であった頃はまだしも、どこかのタイミングで理由をつけて食うのをやめることはできたはずだ、と思っている。

(でももう遅い)

森の魔女は感情を食われることの楽さを覚えてしまった。必要なものだけ残して、不要なものを捨て去ることの気楽さを知ってしまった。

「私にそれを教えたのは、あなたじゃないの。ね、のりかかった船よ。最後まで、面倒見てちょうだいな」

森の魔女が嗤う。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それは、森の魔女がまだヒトだった頃のことだ。

森の魔女は、森近くの村に住む、ヒトの女だった。幼馴染の夫と結婚し、数年恵まれなかった子宝に、ようやく恵まれた。

それを知った時は、喜びよりも不安の方が大きかった。

待てど暮らせど兆しのない妊娠に、心が疲れ果てていた。そんな頃の妊娠だったから、本当にこのまま生まれてくるのか、この後、何かとんでもない不幸に見舞われるのではないか、折角授かったこの子を失ってしまうのではないかと、そんなことばかりを考えて、不安で眠れず食事も喉を通らず、彼女はみるみるやつれていった。後から思い出してみれば自ら不幸を呼び込んでいたようなものだ。

夫もその両親も、みるみるやつれてゆく彼女を相当心配して、できることは全てしてくれた。だが、それは畢竟、彼女の心の問題で、誰が何を言おうと何をしようと、事態が好転することはなかった。

そんな時だ。とある魔女が村に降り立った。その時には、その魔女が他の魔女の間で魂喰と呼ばれていることなど知らなかった。

魔女など、昔話の登場人物でしかないような片田舎だったから、彼女を含めた村の者たちは、驚いて魔女を遠巻きにみつめていた。魔女は、自分の周りにいる村人たちをぐるりと見回すと、彼女に目を止めた。見定めるようにその美しい目が細められ、紅い唇が微笑む。魔女は彼女の前までゆっくりと歩み寄ると、そっと手を差し出して、彼女の頬を撫でた。

「顔色が悪いわね」

そう呟いて、じっと彼女を見つめる。やがて視線が下がっていく。彼女の腹をみやって、これはいけないわね、と言った。

「お前の不安の感情が、お前とお前の子を殺すわ。このままではね」

魔女はそう言ってにこりと笑う。

「あなたがそれを望むなら、私はすぐにでもその不安を取り除いてあげられる。そうすれば、眠れるようにも食べられるようにもなるでしょう。お腹の子も育つわ。あなたの不安以外に、あなたたちを苛むものはなさそうだもの。さあ、如何?」

村の人たちは魔女の言うことなど耳を貸すな、と騒いだが、彼女にとっては天啓のような言葉だった。そして彼女の家族にとっても。

このままでは、母子共に危ない。そう強く感じていたから。

その日、魔女は彼女の感情を食べた。彼女から取り出された不安は、黒く小さな小鳥の形をしていた。


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次に魔女に会ったのは、それから数年がだった頃だった。


それは一瞬の出来事だったらしい。無事に産まれ、すくすくと育っていた息子が、鉄砲水に流された。いつものように子供たちで遊んでいた時の事だ。他にも村の子供が数名流され、村中がどこか暗く、陰鬱な雰囲気に沈んでいた。

そこに魔女がやってきたのだ。

彼女は、子供を亡くした親たちに、「その悲しみを食べてあげましょうか」といった。亡くした子たちを愛しいと思う気持ちはそのまま、悲しみだけを取り除いてくれると。彼女以外の村人はそれを拒否した。彼女の夫も。彼女だけが、魔女に感情を差し出した。子供を身籠もっていた頃、常にあった不安を魔女に食べてもらった結果、子供への愛しさだけを胸に、穏やかに過ごせた。幸せだったあの頃を思い出しながら、彼女は悲しみの感情を魔女の手に吐き出した。それは、生え変わったばかりの、我が子の乳歯の形をしていた。


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第二子を妊娠したのはそれからすぐのことだった。一人目の子を亡くしても悲しみを見せず、ただ愛情だけを語る彼女は、それが感情を魔女に食わせたからだと知っていても、村人からは気味の悪いものに映ったらしい。その頃には村人たちは彼女を遠巻きにするようになっていた。それでも彼女の夫は彼女を愛してくれたし、義理の両親も優しかった。

二人目は順調に育った。みるみる大きくなっていくお腹が愛おしかった。早く会いたいねぇ、大好きだよ、そう何度腹の中に話しかけたかわからない。月が満ちて娘が生まれた時、彼女は少し泣いた。息子の分まで愛してやるのだと、夫婦でそう誓った。


それからは平和な日々が過ぎた。

幸せだった。相変わらず、村の者たちは彼女を遠巻きにしたが、娘のことは受け入れ、愛してくれていた様に思う。日々のちょっとした悩みや悲しみはあれど、そんなものは瑣末な事だ。彼女は、夫と娘と両親と、幸せに暮らしていた。


それが破られたのはある冬のことだった。

最初はちょっとした風邪だったのだ。町へ工芸品を売りに行って、帰ってきた男が寝ついた。疲れがでたのだろうと、それくらいの感覚で、まさかそれがあんな事になるとは誰も思わなかったのだ。

次に寝付いたのはその家の老人だった。それからはあっという間だ。両隣の夫婦、その子供、また、少し離れた家の夫婦。村の中のどの地域に住むものであっても関係なかった。

村人が次々と寝付いてゆく。軽い症状で回復するものもいたが、重症化するものもいて、あっという間に村中に病が蔓延して行った。

娘が寝付いたのは村に病が蔓延しきった頃だった。あんなに気をつけていたのに、ある夜、「さむい」と言ってから、坂を転げるように娘の容体は悪くなっていった。熱は下がらず、食事も喉を通らない。小さな体は更に小さくなっていくようで、祈る以外になにもできない我が身が歯痒かった。

小さな娘の手を、両手の中に仕舞い込んで、涙を溜めながらとりとめもない話をする。朦朧とした娘は、それでも彼女が手を握れば僅かに安心した表情をした。

沢からくんだ水で布を濡らし、娘のおでこを冷やす。同時に、水を口に含ませる。娘の頬を撫で、手を握り、キスをする。大丈夫だよ、すぐに良くなるよ、元気になったらご飯をたくさん食べようね、大好きだよ。そう語りかけた。

どれほどがたっただろうか。それは静かな夜だった。疲れ果てた両親は眠っていた。彼女と夫で、娘の手を握っていた。

荒い息の下、娘が、子守唄を口ずさんでいた。生まれてから今まで、毎日のように彼女が聴かせた子守唄。吐く息がたりず、絶え絶えで、音程も合っていなかったが、その歌声は、この世で最も尊い歌声だった。

夫とふたり、その時が近いことに気づいていた。娘のどんな声も、仕草も、取り逃がすのことのないように、瞬きもせずに娘の顔を見つめる。涙が溢れて、娘の顔がぼやけてしまうのが、堪らなく嫌だった。

夜が明ける頃、娘の荒い息遣いは、聞こえなくなっていた。


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魔女は不幸があるとやってくる。そう言われるようになったのは、それからだった。

その日、魔女が村を訪れて、再び彼らにこう言った。

「その悲しみを、消してしまいたくはない?」

なぜもっと早く来なかった、魔女なら薬や魔法で、ヒトの病気などどうとでもできた筈だろう、今更きて、人の悲しみを食うのはわざとだろう、そのためにヒトを見殺しにしたのじゃないか。村人たちが口々に魔女を非難する。

魔女は心外だ、と言う顔をして肩をすくめた。

「薬なら、別に魔女でなくても作れるでしょう。自分達にできない事を求められても困るわ。薬が欲しいならほかの魔女を探しなさい。わたしにできることは、ヒトの不要な感情を食べる事だけ。そりゃあ、薬を作れない訳ではないけれど、得手不得手があるのはヒトも魔女も変わらないでしょう?わたしはわたしにできることをするだけだし、わたしにできるのは感情を食べることよ。わたしはどちらでもいいわ」

魔女の言葉に反応したのは彼女だけだった。

「魔女さま、私に、薬の作り方を教えてください。そのかわり、家族を失って悲しいと思う、この感情を差し上げます」

隣で夫が驚いた顔をした。

「私に何ができれば、娘を苦しませずにすんだのか、...娘を失わずに済んだのか、ずっと考えていました。いつ来るかも知れない魔女さまを待つだけでは、私は娘も、息子も、守れない。お願いです。私に薬の作り方を教えてください」

彼女が必死に言い募る。両目から滂沱の涙を零し、訴える彼女を見て、魔女は少し考えるそぶりをした。細く美しい指先が紅い唇に当てられて、やがてその唇が微笑みを作った、

「まぁ、いいでしょう。でも、さっきも言ったけれど、私は薬作りはさほど得意ではないわよ」

「私がその分、上手くなりましょう。私にその機会をくれるなら」

「そう。では、あなたのその深い悲しみ、いただくわね」


それから魔女はたびたび村を訪れるようになった。農作業や家事の傍ら、魔女が来れば薬草を探しに野山に入り、下処理をして、複数の工程を習う。簡単な薬から、魔法のいらないヒトの医者の作る薬、果ては魔法が必要な魔女の薬の作り方まで、魔女が教えてくれる薬は多岐にわたった。

正直、これでは割に合わないのではないかと思った。魔女に感情を食わせたのは、彼女が薬の作り方を教えてほしいといったすぐ後だ。魔女の掌に転がり落ちたのは幼い娘に作ってやった小さなお手玉一つ。たった一つの感情に対して、魔女が教えてくれた薬についての知識は多すぎはしないだろうか。


薬作りにのめり込む彼女を、夫は静かな目で見つめ、いつでも彼女を支えてくれた。素養がもともとあったものか、ヒトの身では作れないはずの魔女の薬を、初めて一人で作り上げた時も、夫は喜んでくれた。

やがて、村の中で薬を作れるようになりたい、と言う者が現れはじめた。先の流感で親を亡くした孤児や、魔女の姿に憧れるむすめたち。彼らは魔女からではなく、彼女から調薬の手ほどきをうけ、ヒトの作れる薬なら作れるようになってゆく。だが、魔女の薬は作れるようにはならなかった。


そうして時がすぎてゆく。

ある日、唐突に気付いた。彼女はもはやヒトではないのだと。歳をとり、老いていく夫に比べ、彼女の外見はある時からほとんど変化していない。薬の作り方をおしえた娘達は皆親になり、その子供達に薬草の見分け方から順番に教え始めている。いつのまにか、この村では薬草作りが産業の要になっていた。


もはやヒトの身でなくなった彼女を前にして、夫はそれでも穏やかに笑い、「愛しているよ」と言った。夫は衰えていた。長く生き、ずっと彼女を支えてくれた。村人たちと彼女の橋渡しをしてくれたのも、作った薬の販路を確保してくれたのも、夫だった。

「君のことを、誇りに思うよ」

しわしわになった掌が彼女の頬を撫でる。

最早起き上がる気力もないのだろう。それでも笑って、あたたかな掌で、彼女を精一杯愛そうとしてくれる。いつでもそうしてくれたように。

「子供を二人とも失ってしまったけれど、思い出まで失われたわけじゃない。君も、悲しみは失っても、愛しさも、切なさも覚えているだろう。思い出は、いつでも僕らの中にあった」

「そうね、...その通りよ。そしてその中にはいつでもあなたがいたわ。子供たちへの愛しさの側に、あなたのあたたかい感情があった...」

「本当は、君の悲しみも、僕が癒してあげたかった。一緒に手をとって、泣いて、慰めあって、そうして癒してあげられれば良かった。でも、そうでなくて良かったとも思ってる。君が、魔女に教えを請うてくれたおかげで、あれから村では病は流行らず、どこの街でも、うちの薬が買える場所ではみんな平穏無事に生きている。...全て、君のおかげだ」

違う、と思った。彼女はそんなこと考えていなかった。ただ、不安だったから。これ以上、愛しいものをなにも失いたくなかったから。だから、魔女に薬の作り方を請うた。だから、薬作りにのめり込んだ。

「僕がいなくなっても、悲しまないで。君は多くのものを助けた。そんな君と共にいられて、僕は幸せだった」

「いやよ、行かないで。私をひとりにしないで...」

頬に添えられた掌から力が抜けていく。

生命が溢れて行く。

泣く彼女を見つめながら、夫の瞳からも涙が溢れる。

「君を愛してる。一足先に、子供たちのところへ行くよ。君は、ゆっくり来てくれ」

「私も...私も、愛してる。今までありがとう。また、...また会いましょうね」

「君は寂しがりだからなぁ...。後を追ったりしないか心配だなぁ」

夫が笑う。いくつになっても愛おしい、彼女の好きな笑顔で。

「悲しみを魔女に食べてもらってでも、長生きするんだよ。良い人生を過ごすんだよ」

「わかったわ。ちゃんと、最後まで生き切るわ」

やがて伏せられ、二度と開かなくなった瞼に、もはや魔女でしかない彼女は、そっと口付けた。


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魂喰の魔女が彼女の前に現れたのは、夫が死んで、葬式も何もかもが終わった頃のことだった。

もはやあなたに教えることはないわ、と言って魔女が笑った日から、数十年が過ぎていた。

「魔女さま、...魔女さま、わかっていたの?最初から」

「何を?あなたに魔女の素養があること?魔法を使う魔女になれば、あなたが旦那様に置いて行かれる日がくること?それとも、今、あなたが今まででいちばんの悲しみをその身に宿していること?」

「全て、わかっていたのね」

「望んだのはあなたよ。私から提案したのは、感情を食べることだけ。...あなたは言ったわ。『家族を失って悲しいと思う、この感情をさしあげます』」

「...私の感情は美味しかった?」

「ええ、とっても。今回のがいちばん美味しいでしょうね。長らく共にいて、苦楽を分かち合ってきた最愛の旦那様への感情だもの」

「今回ばかりは食べてほしくない、と言うとは思わないの?」

「あなたには無理よ。魔女の命は長いのよ。これからずっとその悲しみを抱いて生き続けるのは、ヒトの身であったあなたには酷というもの。時が解決してくれる、なんて言葉もあるけれどね。魔女となってしまったあなたには、過去や未来という概念は遠いでしょう?今しかないのが魔女なの。今が永遠に続くのが魔女なのよ」

言われたことは、わかる気がした。

老いていく夫の横で、いつまでも若いまま数十年を過ごしてきた。だけど、若い頃の夫も、死の間際の夫も、全ての記憶がすぐ側にある。感覚として時間の経過はわかるけれど、感触としては昨日も30年前も、そう変わらない。どの記憶も瑞々しく、最近のことのように感じられる。

「食べてあげましょうね、その感情。これから先、長く生きて行くために」

自分でもわかっていた。自分は、魔女の手助けなしに、この感情を乗り越える事はできないだろう。これまでがそうだった。夫もいない今、それ以外にどうすれば、この悲しみを乗り越えられるというのか。それに。

「...ええ、魔女さま。あなたの薬のおかげで、手にしたものがたくさんある。本当に、感謝しているわ。家族を失って悲しいとおもう、この気持ちを、食べてちょうだい」

「あら、あなたも魔女なのよ。私のことを魔女さま、なんて呼ばなくていい。あなたはいい魔女になるわ。薬を作る魔女は重宝されるのよ」

「あなたも作れるじゃない」

「作れると作りたいは別物だから。でもあなたのは作りたい、でしょう」

言って、魂喰の魔女は笑った。

「これが最後になるわ。名残惜しいわね。あなたの感情はいつでも完熟していてとても美味しいのよ」

「悲しみの感情をそう言われても嬉しくないわ」

「それだけ愛情深いってことよ。魔女にはできない芸当よ」

「ヒトの心はなさそうだものね」

「魔女だからね」

その日、魂喰の魔女が彼女から取り出したのは、幼い頃、幼馴染の夫から初めて貰った、名もない野の花だった。可憐に咲き誇る、黄色の花弁を見て、魔女となった彼女は愛おしさで涙をこぼした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それから彼女は、居を森へ移した。

自分に縁の深いヒト達が、どんどん自分を置いて逝ってしまうのを見るのは、自分には難しいことなのだと知ってしまったからだ。

森で彼女は、薬草を育て、薬をつくり、魔法を練っては新たな薬草を作り出した。望まれれば、魔女にもヒトにも薬を卸したし、請われればその作り方を教えもした。そうして過ごすうち、いつしか彼女は、『森の魔女』と呼ばれるようになっていた。


魂喰の魔女とはあれから会っていなかった。魔女となった彼女の感情は、もういらないのだろう。ヒトの感情を食べるのが彼女の職能なのだ。そこに、魔女のそれは含まれていない。


森を訪ねてくる魔女のうちの幾人かは、彼女が魂喰の魔女に教えてもらった薬の、元の製作者だった。魂喰の魔女は、有能な魔女になりそうな女がいるから、自分で作るのは面倒な薬のレシピを渡しなさい、と言ったそうだ。

多少の対価は払ってでも作って欲しい薬のレシピは、そうやって彼女のもとへ届いたらしい。どうりで、薬作りは苦手という割に、多くのレシピを持っているわけだ。


そうして、つつがなく日々は流れてゆく。


そんな時だった。

森のなかで、彼女はヒトの子供を拾った。

捨てて行かれたのだろう、自ら迷子になれるはずも無いほど未熟な、ヒトの子。

その子を抱き上げて、どうしたものかと思案した時、不意にその子が泣いた。

「ふあぁ」

その声に、過去の感情が彩りをもって彼女の中を駆け巡った。息子を抱き上げた朝。指をつかんでくる小さな手。娘は、息子とは異なる、ふわふわした抱き心地だった。そして、甘い乳の香り。

子供のぱっちりと開いた両目がこちらを見つめる。小さな手足が、何が嬉しいのか、ぱたぱたとはためいた。それに気づいて、彼女は眉をさげ、目を細めて笑いかける。

「ああ、よしよし、いい子ねぇ」

口から出て行った声は、森の中で甘く響いた。優しくあやしながら、森の中の自分の庵へもどる。村から持ってきていた子供達のおくるみにその子を包み、両手で抱いて子守唄を歌った。酷く...酷く、幸せだった。腕の中の赤子は、どうあっても忘れられない、幸せの形をしていた。


魂喰の魔女が彼女を訪れたのはそのすぐ後だった。他の魔女から、「森の魔女がヒトの子を拾って育てている」と聞いたらしい。庵に入ってくるなり呆れた顔をした魔女は、つかつかと歩み寄ると、彼女の目の前の椅子に座って頬杖をついた。

「あなたのそれは筋金入りね」

「それってなぁに?こんな小さな子をひとりきりでなんて、放って置けないでしょう?」

「そういう感覚はヒトの時のままなのかしら。それとも単なる気まぐれ?たまにはそういうことをする魔女もいないことはないけれど、わたしには、あなたの行為は魔女の気まぐれとは思えないわ。あなた、これから捨てられた子供を見るたび拾うつもり?」

「それもいいわね」

そう返せば、魂喰の魔女は眉を寄せた。

心底呆れた、とその表情で語る。

「まあいいけれど」

言って、魂喰の魔女が立ち上がった。そのまま扉へ向かって歩いてゆく。扉に手をかけ、開いてーーーーこちらを振り返った。その顔が、逆光の中に暗く沈んでいた。見えない表情の中に、魂喰の魔女の思考を探すが、彼女にはどうにも魂喰の魔女の考えていることがわからなかった。

「身を滅ぼさないようになさい。長く生きるのでしょう?せっかく詰め込んだその調薬の知識、無駄にしないで頂戴」

硬い声が室内に満ちる。次の瞬間には、扉の閉まる、乾いた音がした。

一体何をしに来たのだか。久しぶりの来訪だったにもかかわらず、薬も持たず、茶の一杯も飲まずに嵐のように去って行った魂喰の魔女の後ろ姿を思い返して、彼女は首を傾げる。魔女の行動も、最後の言葉も、彼女には何一つ理解できないものだった。

「変な魔女ねぇ。そう思わない?」

腕の中で眠る子供にそう問いかける。夢でも見ているのか、子供は少し口を開いて、乳を飲む仕草をした。


子供はすくすくと育っていった。

歩けるようになると、彼女について共に森に入るようになった。ものがわかる歳になれば、自然と共に薬草を摘むようになり、ヒトとして生きるのに必要な学びとともに、調薬の技術も教え込んだ。その頃には、たびたび彼女の元を訪れる魔女やヒトは皆、子供のことを彼女の娘だ、と認識するようになっていた。

二人は、共に薬草を摘み、下処理をして調薬をしたし、共に食事をつくり、共に縫い物をした。本を読み聞かせ、文字を教え、情緒が育つにつれて、娘は彼女に反発することもあったが、もはやヒトではない彼女にとって、それは可愛らしい反抗でしかない。にこにこ笑みを崩さない彼女を見るとやる気が削がれるのか、怒りが続かないのか、娘はすぐに矛先を収めてしまう。そして二人で笑い合う。

そんな風にして日々を過ごした。


娘が恋をしたのは娘が16になった頃だった。

相手は、旅芸人の若者だった。

ある夏の日、道に迷った旅芸人の一座に一晩の宿と食事を提供した。

森からほとんど出たことの無い娘にとって、彼らの語る外の話や、彼らの芸は好奇心を刺激されるものだったようだ。

旅芸人の若者の横に座り、彼と笑い合う娘の笑顔は、世界で一番美しいものだった。

彼らはその後も、旅の通り道として彼女たちの住む森を通った。そして、一晩の宿のお礼に技術を高めた芸の数々を披露してくれる。

そのたび、若者と娘の距離は近づいていった。ゆくゆくは、娘もこの森を出ていくのだ、と、彼女はいずれ来る未来を思った。それは、とても幸せな未来で、切ない未来でもあった。ただ、平穏な未来だった。そんな未来が来ると、信じ切っていた彼女は愚かだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


秋のことだった。

世界から音がなくなったかのような静寂の中、鮮やかに色づいた銀杏が降り積もる、美しい日だった。


旅芸人の一座が到着する。

それを知って娘が走ってゆく。座長が娘を迎え、真剣そうな顔で娘に何事かを伝えた。彼のそんな顔をみたのは初めてのことだった。彼の言葉を聞いた娘が膝から崩れ落ちる。

細い腕が、頼りなく己自身を抱きしめる。

その背中が震えていた。


森が赤と黄色に染まったその日、娘の世界から色が消えた。

旅芸人の若者は、旅の途中、火事の家屋から小さな子供を助け出して、そして死んだのだそうだ。


それからの娘は抜け殻のようだった。

何をすることもなく、日がな一日椅子に座り込み、窓の外を眺めている。娘が弱るのはすぐだった。

そんな娘の姿に耐えられず、彼女は娘にその悲しみを魂喰の魔女に食べてもらうよう説得した。だが、無駄だった。

娘は己の中にあるどんな小さなものさえ差し出すことを拒んだ。

娘の中の彼との記憶。彼を思う感情。そのすべてを失うことを恐れ、何一つ取りこぼすことの無いようにしているかのようだった。

たとえそれが、己を殺す感情であっても。

娘を説得しきれず、彼女は知り合いの魔女に、魂喰いの魔女を呼ぶよう頼んだ。魂喰の魔女に無理矢理にでも娘の感情を食ってくれるよう交渉するためだ。だが、そちらも無駄な事だった。魂喰の魔女が食えるのは、『ヒトの不要な感情』だけ。娘がそれを必要とする以上、それは食えない。それが世界の理だ。そう言って魂喰の魔女は静かな瞳で彼女を見下ろした。

「だから言ったのに。あなたはいつも、自分自身で身を滅ぼす原因を招くのね」

魂喰いの魔女の静かな声を聞いた夜、娘が死んだ。


娘の息が途切れたとき、彼女の感情も途切れた。

記憶もない。

目を覚ました時、彼女はベッドに横たわっていて、その横に魂喰いの魔女が立っていた。部屋は荒れていた。

もう娘がこの世にいないことは覚えていた。だが、よぎる感情は愛しさと淋しさばかりで、悲しみはどこにもなかった。凪いだ気持ちで魂喰いの魔女を見上げる。魂喰いの魔女は安堵とも苛立ちともつかないため息を一つついて、部屋を出ていった。暫くして、水差しとコップを持って戻ってきた魂喰いの魔女が、コップに水を入れて差し出してくる。


「これはとんでもない貸しよ」

「…私の感情が、美味しくなかったってこと?」

「わたしが食べるのはヒトの感情なの」

「でも夫への感情は食べられたわ。あの時、私はすでに魔女だったのに」

「あの感情は、ヒトである間に培ったものだもの」

「それはそうかもしれないけど...」

「わたしが食べるのは『ヒトの不要な感情』なのよ。それがこの世界の理なの。わたしは生まれた時からそうしてきたし、この世に存在する限り、そうするでしょう。世界の理を外れれば、いかに魔女といえどどうなるかはわからない。あなたの感情を食べることで、わたしが理を外れる可能性もあったのよ。理を外れた魔女の末路がどんなものか、よく分かってもいないのに。とんでもないギャンブルだったわ」


魂喰いの魔女はそう言って、そしてふと、遠くを見つめる瞳をした。

過去ーーー…ヒトだった頃の彼女を見るかのように。


「でも、まあ、確かにあなたの感情は相変わらず美味しかったわ。どうしてあなたの感情は世界の理から外れることなく食べられるのかしらね?他の魔女で試したことなんてないけれど、食べたいと思ったことも無ければ、食べられそうだと思ったこともないわ。きっと、私には食べられないものなのでしょう。でも、あなたのそれは食べられる。…あなたが元ヒトだからかしら。それとも、あなたとの契約が今も生きているからかしら」


(魔女さま、私に、薬の作り方を教えてください。そのかわり、家族を失って悲しいと思う、この感情を差し上げます)


彼女がヒトだった頃に願ったこと。

魂喰いの魔女と、彼女との契約。

今や魔女となった彼女がヒトだった頃の。

もはや魂喰いの魔女に教えられる知識がなくとも、彼女に与えられた知識は永遠のものだ。

彼女と魂喰いの魔女とのつながりは、きっと、永遠に続く。


魂喰いの魔女は、僅か、何か痛みを堪えるように眉間を曇らせ、こちらを向いた。

彼女は、魂喰いの魔女のその顔に、少しだけ笑みが漏れる。


ああ、この魔女は。ヒトの感情を食うこの魔女は。

彼女の感情を食いたくないのだ。それがどれほど美味だとしても。

彼女が魔女だから。人喰いの魔女にとって、彼女は仲間だから。

仲間の存在が少しでも損なわれるのは、それがたった一つの感情のことだとしても、嫌なのだ。

彼女が、家族を失うことに耐えられないのと同じように。

それは、ただ、どうしようもなくそういうものなのだ。


「これからもよろしくね」

「嫌よ。もうこんな面倒なことはごめんだわ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あれからどれくらいの時間が経ったのだろう。

時間の感覚が希薄な彼女にはよく分からない。


「今回はなんなの?」


あれからも何度か、彼女は魂喰いの魔女に感情を食ってもらっている。

森に捨てられ育てた子たちが失われるたびにそうしてきた。失う理由は様々だ。年をとり死んだものもいれば、事故に遭うもの、旅に出て二度と戻ってこないものもいる。悲しみに心が蝕まれてどうにも自分を律することができなくなれば、彼女は魂喰いの魔女を頼るようになっていた。魂喰いの魔女はそのたび嫌そうな顔をしながらも、彼女から感情を取り出し、それを食べた。その見た目は、小さなボタンだったり、乳鉢だったり、鳥笛だったりした。


「いろいろあったのよぉ。聞いてくれるでしょ?」

「嫌だと言っても喋る癖に」

「そのために来たんだもの」

「あなたが喋ると、私にその気がなくても、勝手に感情が抽出されてしまうのよ…。ヒトから感情を取り出すときよりよほど簡単なのはどうかと思うわ」

「魔女の契約って、すごいのねぇ。大昔の、それも私がヒトだった頃の契約がそのまま継続してこの世界に刻み込まれているなんて。でもね、いつでも私の感情は美味しいのだから、もっと嬉しそうな顔をしてもいいんじゃない?」

「嫌よ。魔女の感情なんて、喜んで食べたいものじゃないわ」


彼女にとっての夫や子供たち。自分にとっての大事なもの。

魂喰いの魔女にとって、彼女はそれに似通った存在なのだろう。

それをそうと認識しているかどうかは分からないが。


「そんなに、私のことが好きなのぉ?」

「どこをどう聞いたらそう思えるの?」


ヒトを愛しすぎるのも、失って深く悲しむのも、彼女の特性だ。それを含んだ全てが彼女を彼女たらしめる。

魂喰いの魔女は、そんな彼女の一部が失われることを厭うのだろう。かつて、娘が恋人へのいかなる感情をも手放すのを拒んだように。だが、娘が彼女の懇願を聞き入れなかったように、彼女も魂喰いの魔女の気持ちを聞き入れることはないだろう。それは考え方の違いであり、大事なものの違いだ。それは、きっと、どうあっても埋まらない。


「私もあなたのことが好きよぉ。魂喰いの魔女さま」

「昔はもっと可愛かったのに、太々しくなってしまって」

「だって魔女だもの」

「元ヒトでしょ」

「だからこそ、私の美味しい感情を、あなたは食べることができるし、私もあなたに不要な感情を食べてもらえる」


彼女が深い悲しみに呑まれて破滅を迎える時が来るとしたら、それはきっと、魂喰いの魔女が死ぬときだろう。

彼女にとっても、魂喰いの魔女は大切な存在になっている。姉のようであり、親友のようであり、神様のような。なくてはならないもの。

きっと、魂喰いの魔女を喪えば、彼女はこれまで家族を失った時のように我を忘れて嘆くのだろう。

それを、魂悔いの魔女の能力なしに乗り越えることは、きっとできない。


「だから、これからも永劫、どうぞよろしく。愛しているわ、私の魔女さま」


その言葉に、魂喰いの魔女は処置なしとでもいいたげに彼女を見つめた。


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― 新着の感想 ―
切ない…。物凄く切ないです!でも、なんか素敵でした! 森の魔女さんの夫さん、素敵な人ですね! 人から魔女に気づいたらなってた…ちょっと怖いですが、でも、森の魔女さんのおかげで沢山の人が救われてるんです…
単純に友情だともいえず、親愛や崇拝、依存などの要素もたっぷりで。 いろんなものが絡み合い、複雑でとてもほどけそうにないけど それでもまあいいか、しょうがないかとあるがままに受け入れる。 それが実に「…
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