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 大人はいつも自分が行きたいところに行く。僕はただ両親の言われるままこのホテルに泊まることになった。

 昨日よくわからないお寺を回っていた。お父さんは苔むした庭園を歩いていた。

 こんなところ全然面白くない。同級生の山田君は遊園地に連れて行ってもらうと言っていた。

 僕もそれならよかったのに。

 そんなことを思いながら僕はベッドから降りた。

 お父さんはお風呂に行ったらしい。お母さんはまだ寝ている。

 主婦は寝坊が許されないからと言って。旅行のたびにぎりぎりまで寝ている。

 僕はベッドから降りて顔を洗おうとしたら妙なものが転がっているのに気が付いた。

 それは昔おばあちゃんの家で見たお母さんが僕より子供だった頃の写真に写っていたもの。 

 僕の使っていたものとは形が違いすぎて何なのかわからなくておばあちゃんに聞いた。それは水筒だという。

 僕の筒型の水筒と違って、その水筒は丸くて平べったいうえに飲み口がついていた。

 お母さんの水筒はピンク色をしていたがその水筒に似たものはすべてが銀色でピカピカしていた。

 僕はそれを拾ってみた。

 お父さんが持ち込んだんだろうか。昨日ベッドに入るまでこんなものが落ちていなかったのは確かだ。うっかり見逃すには大きすぎる。

 僕はそれを手に持ってしばらく眺めていた。

 飲み口にあたる場所をひねってみたが外れない。

 これは水筒ではないのかな。

 僕はしばらくそれを抱えたまま考えこんでいた。

 お母さんがようやく起きだした。

「顔を洗って御飯に行こうね」

 軽くあくびをしながらベッドから這い出すように起きてそのまま洗面所に行ってしまう。

 僕が持っているこれに気が付く様子はない。

 水筒かと思ったけどこれっていったい何なんだろう。

 僕はそれを弄り回した。


 



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