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エンゲブラ的なろう分析シリーズ

「流行は繰り返す」ならば、いにしえのテンプレたちもリバイブすればいいんじゃね?

作者: エンゲブラ

筆者は1話しか見ていないのだが『不適切にもほどがある!』なんて昭和リバイバルなドラマが今年話題となり、職場でも年齢の高い連中の間ではドラマの話が口に上るほどだった。


テンプレとあるあるは、なろうでポイントを稼ぐ二大巨塔なわけだが、なろうの読者層が10~20代で過半数であるのだから、その世代にとってのちょっと懐かしい、あるいはリアルタイムでは体験していない「いにしえのテンプレ」を用いれば、若者にも新鮮な感じでウケるのではないのか、とふと考えた。


いにしえのとはいえ、テンプレになるにはテンプレとなるだけの理由がある。

それなりにオリジナルが優秀であったから模倣を呼び、テンプレ化する。

オリジナルを知らない世代にそのテンプレを見せれば、それがオリジナルであると勘違いしてくれる。


今の10~20代が知らないテンプレと言えば、まず90年代あたりか。

ただ親世代からの影響でこどもの時分に見させられているという可能性もある。

80年代不良ヤンキーな作品は、けっこうエンドレスで漫画などになってきたが、それでも『東京卍リベンジャーズ』あたりで消費が終わった感じか?


『東京卍リベンジャーズ』は、「ヤンキーもの × タイムリープ」という分かりやすいテンプレ設定の「ブレンド作品」だったな、そういえば。この設定は「いにしえ × いにしえ」となっているが、組み合わせとしては、いにしえに現代のテンプレであっても全く問題はない。要するに「組み合わせ」が面白ければ、それでいいのである。


―― では、ちょっとラノベのテンプレ史を年代別で調べてみるか。


70年代

・まだラノベという呼称はないが、原型となる若者向けの小説が出始める

・SF・ファンタジー要素が多い。タイムリープなどもここか。筒井康隆の影響大?(『時をかける少女』の最初の単行本発行は1967年!)


80年代

・ファンタジー作品の隆盛

・異世界転生や冒険モノのテンプレートが確立

・ラノベ系は、挿絵やイラストで売れ行きが大きく変わることが判明


90年代

・ラノベが社会的地位を確立

・『スレイヤーズ』などの魔法ファンタジー作品が大人気に(らしい)

・学園舞台のラブコメディや日常系の作品が急増

・「オタク文化」を題材とした作品もウケだす

・キャラクターの個性や設定に重点を置いた作品が増える


00年代(ゼロ年代)

・美少女ゲームなどの影響から、萌えとラブコメ要素が主流に

・現代日本を舞台とした中高生の物語が増加

・『月姫』などの影響で、学園異能モノと呼ばれるジャンルが流行


10年代

・ラノベと一般文芸のボーダレス化。ラノベ出身作家が直木賞受賞

・ラノベの手法を取り入れた一般ミステリーなどがウケ出す

・ネット発信の話題作が続々と出版され、プロと素人の境界が薄まる



―― 調べてみると、そこまでトレンドに変化がないようにも感じるのだが、「丁寧な作り込み」という点において、現在の作品は圧倒的にそれが不足していると感じるのは筆者だけだろうか?


ラノベの歴史を眺めていると、2010年代にネット発信の作品が世に出だしたあたりからが「分岐点」となっているのだろう。それまでは曲りなりにも「プロ」が書いていた(ちゃんと「編集」もついた)作品が世に出回っていたわけだが、この時期を境に何かがおかしくなったのだろう。


編集も何もないネット発信の作品が、最初から固定客が付いているのでブーストでプロ作家のそれよりも売れてしまう時代へ。


本来なら出版社に持ち込んで、編集とブラッシュアップしていって実力を付けていくという工程がなくなり、ネットで人気だから雑誌での連載なども飛ばし、とりあえず「いきなり出版」みたいな流れへ。それでもある程度の固定ファンがいるので、それなりに売れる。出版社側も育成よりもお手軽な、なろうなどからザッピング(角川などは自前で素人投稿サイトを作り出す始末)で職務放棄へ。


レベルが劣化するのも致し方のない話。



―― また話が横道に逸れた。組み合わせの材料となる具材の羅列をする予定だったのに。


恋愛系テンプレ

・幼なじみヒロイン

・ツンデレヒロイン

・学園のアイドル的存在

・突然の同居生活

・恋愛フラグ

・悪役令嬢の転生/乙女ゲーム世界


学園系テンプレ

・特殊能力を持つ生徒が集う学園

・学園内の階級制度

・生徒会との対立

・学園祭での活躍

・秘密の部活動


異世界系テンプレ

・異世界転生/転移

・チート能力の獲得

・魔法や特殊能力の習得

・冒険者ギルドへの加入

・ダンジョン攻略

・スタンピード

・勇者パーティーからの追放

・奴隷の解放と仲間化

・領地経営/国家建設

・現代知識を活かした異世界生活

・実在人物の異世界転生


SF / ファンタジー系テンプレ

・ タイムリープ / タイムトラベル

・パラレルワールド

・ディストピア / パンデミック

・人口知能と電脳世界

・アンドロイドとロボット

・超能力(念動力や千里眼)

・ 記憶喪失

・隠された過去/出生の秘密

・封印された力の覚醒

・人類の存亡をかけた戦い


その他のテンプレ

・主人公の弱小チームが強豪に挑む

・日常の中に潜む非日常

・探偵 / スパイ


―― 女性読者も取り込むつもりなら「恋愛要素」これは必須か(男視点の気持ちの悪いハーレムノリは厳禁で)。ちょっとフォモフォモしい感じとかのが、ヒロインにも嫉妬せずに済むし、ウケるのかね。

すれ違いでやきもきするという設定も、一億総スマホの現代舞台では難しいが、異世界とかなら問題ないね。


今ざっと見た感じだと「記憶喪失」とかは有望な気がする。

今のなろうの大半は、死にかけて前世の記憶を思い出すばかりだからね。

多重「タイムトラベル」とかもいいかもしれない。一時代にとどまらず、いろんな時代をジャンプしながら、一族に関与するとか。

「隠された過去/出生の秘密」も良さ気だ。いまのなろう作品は、主人公の大半が転生者だから秘密にしてるだけで、読者には明け透けな出自ばかりだし。

こうして見ると、SFのテンプレなどとの組み合わせはけっこうアリな気がする。


もうちょい本腰でいろんな設定調べてみるかな。

いにしえの具材とか、思いつきだけでは調べ切れんかった。


あ、「ゲームブック」をなろうでやるのはアリかもしれん!

選択肢次第で次にジャンプする話数が違うとか面白いんじゃね。

そういえば、星新一の「生活維持省」の設定を漫画「イキガミ」がパクったか、パクってないのか問題。あれどうなったんだろう。調べて見たら、遺族側が訴訟に至らなかったから放免となったようだが、訴えていたら負けていたのはイキガミ側だった気もするな。


あまりに露骨な設定丸パクもダメだよ、当たり前の話だけど。

なろうテンプレは最早「パブリックドメイン(フリー素材)」扱いなのだろうが。

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