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空想同盟  作者: 水素水
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一番大切な人と空想同盟結成!

カフェからの帰り道、海斗が公園で話そうと提案して、私達は、一緒にベンチに座って話すことにした。


「瑞樹・・・少しだけ触ってもいいか?嫌だったらすくまやめるから」


ベンチに座ると、海斗が私の方を見て言う。彼の顔は顔が赤くなってる。


「あ、うん・・・」


気恥ずかしくて、小さい声で返事をする私。

それを聞くと、海斗は、私の両手を彼の両手で包む。


「あったかい」


思わず言う。海斗の手は私の手より暖かかった。


「嫌じゃないか?」


海斗は私のことを気遣ってくれる。その気持ちに心がほんのりと暖かくなる。


「ううん、嫌じゃない」


私が首を振ると、海斗はホッとしたような表情になって、手を離すと、私の背中に手を回して、抱きしめた。


「あっ・・・」


突然の抱擁に、私の心臓がドクドクと音が大きくなる。


「好きだよ、瑞樹」


私の耳元で言う声に、余計ドキドキが大きくなってしまう。


「海斗・・・」


私は、海斗の背中に手を回す。

人と触れ合うのって何だか落ち着くな。ドキドキもあるんだけど、心地良い。


「・・・何か落ち着く」


私がそういうと、海斗が不満そうな声で言う。


「落ち着いて欲しいわけじゃないんだけど。俺の心臓の音聞いてみる?凄いことになってるから」


「あっ、ドキドキもするよ、もちろん」


私は慌てて訂正する。


「本当か?」


体を離すと、海斗が顔を近づいてくる。


「う、うん。ドキドキしたけど。抱きしめ合うのって気持ちいいなって思ったの。安心感があって」


私が海斗の顔を見つめて言うと、海斗は視線を外してはぁーとため息をついた。


「何てセリフ言ってんだよ」


「え?変なこと言った?」


私が海斗を覗き込もうとすると、制止される。


「ちょっと待って。落ち着くから」


「?」


私が待っていると、しばらくして海斗はこちらを向く。


「早く俺のこと好きになってくれないかな」


「う、うん、頑張る・・・」


そう言いながらも、海斗に告白されてから、ドキドキして、赤面して、何だか調子が変だ。

私って海斗のこと、好きなのかな?

どうしたら好きって分かるんだろう。恋日落ちれば確信が持てるものなのかな?


「でも、無理させる気はないから、俺、待てるからさ」


そう言って私の頭を撫でる海斗。


海斗の目が目の前にある。優しい目、私を見つめてる。その目、前から調子が狂ってたんだ。落ち着かなくて。


思わず目を反らしてしまう。


「何で目を反らしたの?」


海斗に言われて、私は顔が赤くなるのを感じながら答える。


「海斗の目、見てると落ちつかないから」


「そっか、いい兆候だな、俺のこと意識してるってことだろ?」


「そ、そう・・・かも」


否定できない。


海斗はそれから、機嫌が良くなって私といろいろ話してから、私達は夕方になって帰宅した。


私はずっと、好きってどういうことだろう?と自問自答していた。

帰宅してからも、そのことが頭から離れなくて。

私も海斗を好きになりたい。でもその気持ちが形があるものじゃないから、いまいち分からないんだ。



次の日、昼休みに、いつも通り屋上へ行くと、海斗が笑顔で私に気づいて手を振る。


私は少し照れくささを感じながら彼の元へと行った。

海斗の近くに行くと、彼は私の手を握る。


「隣に座って」


「あ、うん・・・」


「今日は何話す?」


そう言いながら彼は私の髪に手をやって撫でる。


「えっと・・・そ、そうだね」


私は動揺して落ち着かず目を泳がせた。


「じゃあ、銀河鉄道で銀河に行くのは?」


「楽しそうだな」


そう言いながら、海斗の手は私の頬をなでる。


「あの・・で、電車に乗り込むといろいろな星を探検するの。他の惑星も行けるし、もしかして宇宙人にも会えるかも。太陽の近くも行ける高性能な電車なんだ」


私は空想の中に入り込んでいた。そうなると、あまり海斗の手も気にならない。

海斗は手を止めると考えた。


「宇宙人ってどんな姿だろうな?グレイみたいなやつか?」


「うん、そうかも!でも、地球じゃない環境で育ったら、もしかして実体がないってこともあるかも。それに、見たことがないような姿をしていたり、動物や植物の姿のもいるかもね」


「攻撃的な奴はいないかな?いたら俺が守るから」


海斗がそう言うから、私は思わず笑ってしまう。


「あはは、宇宙人にはかなわないんじゃないかな。でも、確かに、攻撃的な宇宙人もいるかもね・・・どうしたら友好的に話せるかな・・・」


私は宇宙人との交流に想いをはせた。


「未来仕様の銀河鉄道ならワープ出来るんじゃないか?そしたら、ワープして逃げるしかないな。攻撃的な宇宙人とまともには話せないだろ」


「ワープかぁ・・・確かに!海斗って天才だね」


私は興奮して、思わず海斗の腕をを掴んでいた。

その動作をした為に、間近に海斗の顔が来てドギマギする。 


「どうした?」


海斗は笑って言う。


「・・・あのね、最近海斗の視線を感じると落ちつかないの。家に帰っても海斗のことばかり考えちゃうし・・・。これって・・・」


「俺のこと好き・・・ってこと?」


海斗の顔が赤い。


私は首を傾げる。


「うん・・・そうなのかな?付き合ったことないからわからない。ごめんね、いつもこんな返答で・・・」


自分の恋愛経験のなさに落ち込んでしまう。


「いいよ、じゃあ好きってことにしておこう」


海斗はそう言うと、私の頬に手を当てる。


「俺が近づいても嫌じゃない?」


「嫌な訳ないよ」


私が言うと、海斗は嬉しそうに笑う。

そのまま、グッと海斗の顔が近づいて来て・・・。


キス、された。


「・・・!」


私がビックリして海斗を見ると、海斗の顔はさっきよりますます赤くなっていた。

こんな海斗見たのは初めてだ。


「どうだ?嫌じゃなかったか?」


「うん・・・ドキドキしてる」


自分の鼓動がドクドクと波打っているのを感じる。

私の言葉を聞くと、海斗は私を優しく引き寄せた。


「良かった・・・」


その切実な口調に、私の心がキュッと締め付けられる。


「海斗・・・」


やっぱり、私、海斗に抱きしめられるの好きだ。

私が海斗を見上げると、もう一度キスされる。


「好きだよ、瑞樹」


「私も、海斗が・・・好きみたい」


私がそう言うと、海斗は優しく微笑む。


「すげー嬉しい、絶対離さないから」


「うん」


私達はそのまま離れがたく抱きしめあっていた。


しばらくして、私は海斗を見上げる。


そして、前に海斗が言ってくれた事をどうしても言いたくて口にする。


「ねぇ、海斗。屋上で出会えて良かったね、私達」


「そうだな。瑞樹に出会わなかったら、俺、本気でこの世にいなかったかも」


「海斗?」


私はビックリして海斗に勢いよく問う。

海斗は軽く笑うと、


「今は瑞樹がいるから大丈夫」


と言う。


「瑞樹と出会う前の俺は何もかも楽しくなかったんだよな。学校も、うるさい教師も、暴力ふるってくる親も、大嫌いだった。だから屋上から飛び降りたら楽になるんじゃないかって、割と本気で思ってたんだ」


「あれ・・・本気だったんだ?」


最初に出会った頃のセリフを思い出す。

私はあの時、海斗をほっとけないって強く思ったんだ。

雰囲気が、とっても暗かったから。


「でも、瑞樹と出会って、空想の中で楽しく過ごして、救われた。空想もそうだけど、瑞樹って存在に救われた。瑞樹と話すのが楽しくて、最初に会った時からもっと一緒にいたいって思ったんだ」


海斗は私の頭を撫でながら言う。


「ありがとう、私も海斗がいるから、今は学校が楽しいよ。私こそ、海斗は私の救世主だと思ってるよ」


海斗はフッと笑う。


「そっか、それは光栄だな。瑞樹の救いになれているなら、凄く嬉しい。俺こそ、瑞樹には凄く感謝してる。だから、俺のこと好きになってくれて嬉しい。恋人なら永遠に一緒にいられるだろ?」


「えっ永遠に?」


私は突然の海斗の宣言にビックリして問い返す。


「海斗、私のこと理想化してない?私が嫌になっちゃうこと、あるかもしれないのに・・・」


「ないよ。人生でこんなに好きになったのは瑞樹だけだから。ま、瑞樹が俺を好きじゃなくなる方がありえそうだけど」


海斗は私をジッと見つめて言う。

そして、ぎゅっと強くだきしめられる。


「そんなこと絶対ないよ。私の空想に付き合ってくれる男の子なんて、海斗しかいないんだから」


私が海斗を抱きしめ返してそう言うと、海斗はポソリと言う。


「他のヤツだって、瑞樹の可愛さを知ればいくらでも空想話ぐらい聞くだろ」


「海斗?」


私は体を離すと、海斗の髪の毛を撫でる。


「何か可愛いね、海斗」


「おい、男に可愛いはないだろ。瑞樹だろ、可愛いのは」


ムッとしたようにいう海斗にクスクス笑ってしまう。

私につられるように、優しい顔になって海斗が言った。


「もし、他のヤツが瑞樹の空想話を聞いてくれたとしても、俺がそれ以上に聞くし、瑞樹を幸せにするから、俺を選んでよ」


「うん、安心して。もう海斗以外の人に空想話しないから。ねぇ、海斗。私達、空想同盟結ばない?」


「空想同盟?いいぜ。会員は瑞樹と俺だけな?」


「うん、もちろん、これからもずっとずっと、よろしくね」


私は笑顔で海斗に笑いかける。

海斗は頷いて私に優しくキスをした。



居場所のなかった私達・・・。

お互いが唯一無二の居場所になったんだ。  


これからも一緒にたのしく空想しながら恋人としてずっとずっと一緒にいたいな。




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