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酒罵微忘碌  作者: 久世
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そうだ、那覇へ行こう! 「新宿の人、松山で有名になる」編

 沖縄といえば、那覇。那覇といえば松山。


 松山ってなに? って方は、沖縄の歌舞伎町だとでも覚えておけば間違いではない。


 もともと沖縄地方へはそれなりの回数訪れたことがあった。今となっては、本島へはもう20回程度、石垣へも5、6回、西表ほかいくつかの島々にも適当に。


 それなりに楽しんできたのだけれど、その時は、本当に


「そうだ、那覇へ行こう」


 と思い立っての行動だった。


 独身男のあくなき探究心。果てしない冒険心。とめどない欲望。奮い立つ僕の中の野生。


 おおよそ、月に2回程度は、平日早朝にLCCを使って成田から那覇へ飛び、一切の用事もないのに1週間程度一人で宿泊し、日中は宿から出ることもなく普段通りの仕事をこなし、夜になるとそそくさと松山へ繰り出し、朝の閉店近くまで延長を繰り返す。


 東京から出張(実際は仕事で訪れているわけではないが、実際に仕事はしているわけで、傍目からは出張というふうにしか見えていないだろう)で来ているだけの一般リーマンが、夜な夜な眠らない街、松山へ出没する。何人かのキャッチには、あっという間に顔を覚えられた。当時はまだ割とロン毛だったし、白ブチのいやに目立つメガネや、夜でもグラサンを愛用していたので、働く側の人っぽい風貌だったのもそれを助長したのであろう。


「あ、●●さん、こんばんは。またいるんですね!」


 などと声をかけられ、お気に入りの店舗に近づけば、


「●●さんおいでです。○○さんご指名でー」


 と、指名するとは一言も言ってないにもかかかわらず、自動的に無線で連絡が送られ、店に入る頃には、すでにお迎えがセットアップされている始末。


 そんな日常を送っていた。いつまでも続くかもしれないとも思っていた。なんなら沖縄に移住してもよいかもなあと、漠然と考えたりもしていた。


 そんな日々から、さかのぼること約半年前。さかのぼること約半年。

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