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竜と境界の都市グレンツェ  作者: 瀧澤流泉
第一章 「覚醒と騒乱」
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第6話 眠れぬ狩猟人、炎狼現る


第6話の部分に新しく話を作ったので、これ以降の物語全部の回をずらし、投稿し直さないといけないので予告などは現最新話の16話を抜き全てなくなります



アルとは反対の方面にやって来たアルバート、こちらの魔獣達は数こそアルに比べれば少ないが、単体としての強さとしてはこちらの方が高い水準にあるようだ。


「ふむ、数こそまちまちですが何体か強い魔力を持っていますねぇ。とっとと仕留めて昼食にしたいものです」


アルバートと対峙するのはアンデッドタイプに分類される魔獣、骸骨騎士(スケルトンナイト)のようだ。


骸骨騎士(スケルトンナイト)>とは自然発生はせぬアンデッドタイプに分類される魔獣だ。

アンデッドタイプは基本的に獣の死体から発生し、獣の姿をしたビーストアンデッドと呼ばれる姿をとっている。だがアルバートと対峙するのは人型近接戦闘装備をしている骸骨騎士(スケルトンナイト)だ。

この近くに墓地または迷宮(ダンジョン)と呼ばれる場所はない、ということは必然的にこの近辺で魔獣狩りをしていた狩猟人(ハンター)だろう。

哀れなものだ、魔獣を狩るハンターがまさか己が狩られる立場に堕ちてしまうとは....だが彼の鎧には大きな爪痕が残っており死ぬ間際まで魔獣に対して勇敢に立ち向かい、狩猟人(ハンター)としての人生を全うした様子が見て受け取れる。

眠れる狩人をこれ以上現世に縛るのも酷というもの、アルバートは狩猟人をこの世の呪縛から解き放つため正面から対峙する。


「現世に縛られ、己の運命を捻じ曲げられ、さぞかし辛かったでしょう。せめて私が引導を渡して差し上げます、さぁかかって来なさい」


錬昇により身体能力を引き上げ、振り下ろされる太く分厚い大剣の刀身を手の甲で払い受ける。


「いい振り下ろしです」


払い受けた大剣の刀身を強く押すことによって払い除け、鎧に包まれた胴体に拳を突きつけたが鎧が拳の衝撃を軽減する影響でなかなか本体の骨にダメージが入らない。

元狩猟人はなかなか良質な鎧を着ていたようだ。よく観察してみると物理体勢の魔術付与(エンチャント)が施されている。


付与(エンチャント)済みの鎧ですか、いいものをお持ちのようですね。ならアプローチの仕方を変えるまでです」


「龍錬流魔闘術<震衝>」


構えた状態から一歩踏み出し、骸骨騎士(スケルトンナイト)の手前で、空気を押し出すように掌底で突き出す。


ドンッ!


強烈な破裂音と共に骸骨騎士骸骨騎士(スケルトンナイト)は見事に吹っ飛ぶ。


<震衝>

前方に強烈な振動波を発生させ、相手をノックバックさせる技である。熟達した者がこの技を放てば、相手を吹き飛ばしながら体内に損傷を与えることができる。

今回は相手が物理耐性を持っているのでノックバック重視で技を発動させる。

吹っ飛んだ骸骨騎士(スケルトンナイト)に肉薄し、一手でケリをつける。


「この世の呪縛から解き放たれ、栄えある未来に向かいなさい」



「龍錬流魔闘術<焼葬>」



<焼葬>とは相手の身体に触れ、体内の魔力を操り魔力性質を強制的に炎に変化させ、体の内側から燃やす技なのである。

一見近づいてしまえば簡単に相手を屠ることができる技に思えるが実はそうでもない。


この技は相手に接触を前提とした至近距離技であり、相手が強者であるほど接触の間合いに簡単に入ることはできなく、接触したとしても相手の魔力を操れず炎の性質変化が出来なければ意味が無い。

そのためこの技の使用者は基本的に相手が無意識に発している体の表面の魔力に干渉し、炎に性質変化をさせるが、アルバート程の実力者になれば相手の魔力を操るのも造作の無いことだ。



骸骨騎士(スケルトンナイト)の鎧に触れ、元狩猟人が苦しまぬように一気に燃やし、彷徨える元狩猟人を(ほうむ)る。


アルバートに、自身の魔力がジャックされ強制的に内側から燃やされた骸骨騎士(スケルトンナイト)は、突如自身が燃やされたことに理解が追いつかず剣を雑多に振り回し、のたうち回っている。


彼は燃やされ嘆くが、それは何に対して嘆くのだろう。

彼が嘆くのは、魔獣に勝てずアンデッドに堕ちてしまった己に対して嘆くのか、それとも誰か大切な人を想い嘆くのか.....。

それは今を生きる我々には分からない。我々生者が死者に対し、してやれることは死者を弔い時折想い出してあげ、彼らが生きた証をこの世に刻む他ないだろう。

生者ができるのは精々それぐらいだ。


「眠れぬ狩猟人(ハンター)よ、今一度眠りに着き輪廻の輪の中に入り、新しき人生を謳歌しなさい」


内側から燃やされ、燃え尽きた骸骨騎士(スケルトンナイト)の最後の表情は微笑みで満たされていた。


全身が焼け朽ち魔力の残滓と成り果てようとも彼が担ぎ、魔獣を(ほふ)り続けた大剣はその場に残り続けていた。


「朽ちて尚その意志は折れぬままですか....ならばせめてここで、ゆっくり眠りなさい」


アルバートは彼が朽ちた場所に墓標代わりとなるよう大剣を地面に突き刺し、その場を後にするのであった。




―――――――――――――― 



「師匠はどうしてるかな、あっちの方向にいたと思うんだけど....」


アルが師匠を探していると突如として遠方から爆風が襲ってくる。


「うわっ!?なんだよ、この爆風ってあそこにいるの師匠じゃん!?どんな大技使いまくってんだよ.....」


アルバートの行動に呆れつつ彼の元へ向かう。


「師匠大丈夫ですか?」

「おやおや、これはアル。向こうの魔獣達は片付いたのですか?」

「ええ粗方片付きましたよ」

「ならちょうどいい手伝いなさい」



アォォォォォォォォォンッ!!



会話をしている最中、遥か遠くまで鳴り響く遠吠えが聴こえ、遠方から迫り来る黒く燃え盛る存在がいた。

アルはその存在に気づき絶句する。


遠方からやって来るのは黒い体毛に覆われ所々体の一部が燃えている通称<ムスペルハウンド>と呼ばれる狼型の災害指定魔獣が爛々と光る眼で彼らを睨みつけている。



一度魔獣の脅威度について語ろう。

魔獣と言ってもそれぞれの強さがあり、通常より遥かに強い(あるいは進化した)魔獣は五段階の脅威度に分類される。


脅威等級

厄災(カタストロフィ)

実際には分類されない等級で、厄災(カタストロフィ)は寓話や伝記の火付け枠として使われる架空の等級として存在しており、伝記などの物語でこの枠に入るのは魔神ただ一人である。



神話(ミソロジー)

魔獣災害にて最上位等級に分類される。

神話(ミソロジー)クラスの魔獣達はそもそも魔獣とは呼ばず、神獣と呼ばれる。

その理由としては神話(ミソロジー)クラスまで成長した魔獣は霊気と呼ばれる魔力より世界の根本にあるエネルギーを操ることが出来るため一般的な魔獣とは別の存在として神獣と呼ぶ。

神話(ミソロジー)クラスが現れた場合その被害は国家間単位で及ぶと言われており、神獣が出た場合国家間の関係性問わず持てる兵力の限りを尽くして討伐されなくてはいけない。



伝説(レジェンダリー)

伝説(レジェンダリー)、それは魔獣と呼ばれる存在の中に置いて最上位に分類される等級である。

伝説(レジェンダリー)クラスの魔獣が出た場合、その国家に所属する狩人協会(魔獣を狩る専門組織)及び軍組織は(国家によるが)必ず討伐の協力をせねばならない。それを拒んだ場合処罰も有り得る。

その被害度は数個の都市壊滅、インフラ崩壊、最悪の場合ひとつの国家が消える可能性も秘めている。



災害(ハザード)

狩人協会で依頼できる中では最上位の魔獣ランクである。災害(ハザード)クラス以上となるとそれはもう国家レベルの脅威であり、それに対処するのはひとつの組織の手に負えないものである。それに伝説(レジェンダリー)以上のクラスとなれば討伐できなかった場合被害も甚大であり、そんな責任を狩人協会としても背負いたくないものである。そのため狩人協会で請け負えるのは災害(ハザード)までであり、協会が対処可能なラインである。

被害度としては都市壊滅も有り得る被害をもたらす。



伝承(ファンタジー)

伝承(ファンタジー)は比較的(上記の被害に比べ)被害度がマシな方である。

伝承(ファンタジー)クラスの魔獣は熟練の狩人が相対するクラスの魔獣である。

被害度としては小規模な都市に重大な被害が及ぶ程度で、ある程度の戦力があれば対処可能である。


特殊(ユニーク)

特殊は通常個体より、変わった進化または特殊能力を得た魔獣達の総称である。

通常とは違い変わった能力を持っているため討伐は慎重に行わないといけないが、被害が出たとしても精々数十人(そもそも被害がでることは無いが)である。

それ以下の魔獣は、等級には分類されず一般魔獣と分類されている。




今回アル達を襲って来た魔獣、ムスペルハウンドは災害(ハザード)認定される魔獣だ。


「あっ....あのぉその...単独で災害(ハザード)指定される魔獣.....ですよね?」

「ええそうですよ、なかなかの大物ですね。少し戯れていたのですが、この個体はまだ成体になったばかりの個体のようなので準災害(ハザード)指定いやワンランク下げて伝承(ファンタジー)と言ったところですかな」

「いやいやそんな冷静に観察されていても困るんですけど.....」


「ふむ、私が倒してもいいのですが、ここは早期決着兼アルの練習のためにも<合わせ>をしますか」

「えっ!?今"合わせ"やるんですか?師匠に稽古をつけてもらっていた時以来”合わせ”なんてまともにしたことないんですけど.....」



<合わせ>とはお互いの魔力回路を繋げ、二人の魔力をひとつに錬り合わせ同時に技を放つことによって大幅に威力を上げる技法である。

しかし"合わせ”とは個々の魔力をひとつに錬り合わせひとつの魔力に昇華させる技であり、お互いの魔力制御、魔力の相性も関係してくるのでそう易々と扱える技ではない。


「これも復習の一種ですよ。五年もブランクがあったのですから荒治療と言うことで納得してください」

「いやいや、ひとつ間違えればお互いの魔力圧の差で体内爆発起こるような技を気軽に復習だからって理由で片付けないでくださいよぉ」

「ですがあちらさんは待ってはくれませんよ?」


アル達の眼前にまでムスペルハウンドが迫って来ている。


「もうやる以外の選択肢なんてないじゃん、わかりましたよ師匠やればいいんでしょ!?」


アルはやけになりながらアルバートに問い返す。


「ええやる気になったなら結構、同時に構えてくださいね」


アルとアルバートは同時に構え出す。


「「錬昇」」


まずは二人の魔力回路を繋げ、ひとつに錬り合わせる。アルバートの魔力が体内に入っきたのを感じ、アルは随時自分の魔力と一緒に混ぜ、錬り合わせる。そうして二人の魔力を全てひとつに昇華するのが終わり、眼前まで迫って来たムスペルハウンドに向かい力強く拳を引き絞り一歩踏み出し、構えと同時に技を突き放つッ!!



「「龍錬流魔闘術<覇焼冥天>ッ!!」」



拳を放った瞬間、とてつもない熱気と魔力が放たれ、ムスペルハウンドはアルとアルバートが放った強烈な魔力衝撃により全身に衝撃と熱波が放たれ蒸発そして爆ぜ、塵と化し周りの大地には衝撃波により大きなクレーターが出来ていた。


<覇焼冥天>とは限りなく高純度に高めた魔力を己の拳に乗せ、相手と接触する瞬間、最大限まで高め、拳に込めた魔力を接触と同時に解放し魔力爆破を起こす突き技である。


かくして二人の寸分違わず、息のあった一撃により国の脅威となりかねない魔獣は討伐され、スタンピードにより現れた魔獣はその大半が討伐、残りは元来た場所へ帰ってゆき、これにてスタンピードは終息へと至るのであった。




前述した通りこれ以降は予告がなくなりますが物語は続いてます。まぁ頑張って予告も書き直せって言われたら反論出来ないけど正直めんどくさいですm(_ _)m

それにあと八話分の大幅修正をしないといけないのでメンタルが持たないです(´;ω;`)

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