2.義務感・責任感と報酬要求
作者は機械じゃない、という言葉は書き手と読み手の間にある溝について論争が行われるとき、書き手側から出ることが多い言葉です。
それと同時に私が思うのは読者は人間だ、でした。なんて言いましょうか、上手い言葉が見つからないんですが……私の中で読み手と書き手は平等で、だからこそ双方が一方的に「エタるな、更新しろ」「ポイント、感想をくれ」と言い合っては何の解決にもならないと思っているのです。
……書きたいことがまとまらず、泣けてくるほどに文章構成がゴミで逆に笑えてくる作者です。
さて、前回の最後にありますように、これを書きながら、書き始めたときに思っていた「感想が来ないから更新することを苦痛に思うんだ」という考えについて、思考が整理されてきました。
私は「更新は作者の義務」だと思ってきました。私がしなければならない労働、と同じような意味かもしれません。
つまり感想が欲しいと思うのは報酬の要求だったわけです。更新を義務として求めるなら報酬があって然るべき、と。
まあ、勝手に更新の義務を求めていたのは作者である自分自身なんですけどね。
つまり更新を義務だと思わなくていいなら感想もいらないのではないでしょうか?
この気づきはそれはもう素晴らしい気づきでした。
そして思い出したのは、ネットに公開などせず、ただひたすらに1人で書き続けてきた時代のことです。思えば当時の私は、他者の感想がなくとも好き勝手に書きたいものを書きたいときに書いていました。
やはり、更新を義務だと思うから、対価に反応が欲しいと思うようになったのでしょう。
それなら、更新を義務だと思うことをやめれば続きを書くことを苦しく思うこともなくなるのではないでしょうか。なるほどなるほど、字面だけでの「更新は義務じゃないから気楽に」というのが実感を伴って理解できた気がします。
書き手として、作品が完結しない、ということは絶対にしないと決めています。私自身が嫌だからです。
ですが、更新が数週間できなくても焦る、申し訳なく思う、というのはやめようと思いました。罪悪感とか申し訳なさとか、それを抱いているのは人間性的に大事なのかもしれませんが、それで苦しいなら、もういいかなって。
こんなことを書くと「お前の作品はブクマ数があるんだから、こうなる前にクレクレすればよかったじゃないか」なんてことを言われるやもしれないのですが、どうですかね。
私の現在の連載小説はクレクレをしていない作品です。後書きにもあらすじにも「感想おくれ」とは書いていません。クレクレをしたのは一度だけ。1ヶ月のお休みに入るとき不安で「待ってるって言ってくれませんか」とお願いしたそれきり。
それは何故か。
まず第一に「クレクレを不快に思う読者が多いから」という理由があります。ただでさえ更新が不安定になっている今、クレクレで更に読者を失うのは嫌でした。まあ、これを書く時に読者を失う覚悟はしていましたがね。
そして第二に「過去、追い詰められてクレクレをし、スルーされた過去がトラウマ」という理由があるのです。誰かが書くだろうという思考が働くのか、はたまた私の最新話など誰も読んでいなかったのか、真相は闇の中ですが……残酷なものです。
マイナス思考に陥っている私は、基本的にブックマーク=リアタイ読者数とは考えていません。
取り敢えずブクマ、忘れられたブクマ、連載追っかけ中、それらを多く考えてリアルタイムで連載を追いかけてくれているのは数パーセントなんじゃないかなぁとか、思っているわけです。だから、最新話を誰1人読んでいない可能性すら頭に置きながら更新のボタンを押しています。
私だけですかね、こんなマイナス思考なの。何の反応もないと忘れられていると思う書き手、いませんか?
とまあ、こんなわけで。
だから私はクレクレをしませんでした。
……した方が良かったのでしょうか。もう、分かりません。それに、もういいかなと思います。
何故なら、もう更新を義務と思うのはやめたからです!
だから感想を求めることもないと思います!
自分が求められることを進んで果たさないのに、相手には今まで通りのものを求めるのは明らかな間違いですもん。うんうん、吹っ切れてきた気がしますね。
これでお金を貰っていたら、頑張って書くのでしょう。
でもこれは趣味です。私がやりたくてやっていることを、ついでに読者にもシェアしているだけ。報酬を求めるのは変だし、自分の時間を削って苦しむのも変ですよね。
今、他に楽しいことが沢山あるんですよ。やりたいこと、観たいもの、よみたいものが沢山沢山あるんです。
私の趣味は、創作だけじゃないんですよ。
ね、私。段々分かってきた感じでしょう。無理する必要なんてなかったと、感想を欲しがって泣く必要もないと。
これからは迷うこと泣く私が読みたいものを書きたいように書きたいときに書いていく。次回ですっきりと吹っ切れるような気がしてきました。
よしよし、次は何を書こうかな。
そう言えば、今日、お誕生日なんですよね。書き始めてすぐは悲しい気持ちだったけれど、新たに歳を重ねると同時に思考を整理して創作人として一歩進むって何だか素敵。




