泉のほとりで再会
楽しい朝食を終えてから、レオンさんとカイルと私は畑へ向かった。
今日も良い天気!
お日様が笑っているみたいだ。
鶏助さん家族はランニングしていた。
日々の鍛錬があってこそ、見事な飛び蹴りが繰り出せるんだね。
野菜の畑に着くと、大きな籠をどんと地面に置き、レオンさんは野菜たちに向かって声を掛けた。
「完熟した奴、この籠に集合だ!」
その声を聞いて、次々と完熟野菜たちが籠に向かって飛んでくる!
あっという間に、籠の中は野菜でいっぱいに。
つやつやぴかぴかの新鮮野菜が、早く食べてくれとばかりに整列している。
その後、レオンさんは魔法で畑に肥料入りのやさしい雨を降らせて、水やりも終了。
弱っている作物があれば、魔法で回復させる。
農作物の入った籠は、マジックバッグに一時収納。
果物畑でも、同じ作業を繰り返した。
たしかに、私がお手伝いできることなんて無いな。
「カイル。パパすごいね」
「クルル…」
カイルも誇らしそうだ。
レオンさんはちょっと照れくさそうに笑って言った。
「よし、畑仕事も終わったし、泉に散歩に行こうか」
カイルを抱っこしたレオンさんと手をつないで、昨日の泉へと歩いた。
お父さんみたいだ~。
泉に着くと、レインボーさんが私を見つけるなり走ってきてくれた。
「ルカちゃん!」
「レインボーさん!」
ふたりで再会を喜んでいると、
「昨日は置いて行ってしもうて、すまんかったの」
新婚のリトル爺ちゃん登場。
「ううん。奥さんにまた会えてよかったね、おじいちゃん」
「うん。よかった…」
爺ちゃんの瞳に涙が光った。昨日は凄い感動の再会だったんだね。
「リトル爺さんを攫った盗賊も捕まったんだよ。それを指示した青年も。今まで証拠不十分だったんだけど、リトル爺さんが犯人を捕まえて騎士団の詰め所に引き渡したんだ」
「お爺ちゃんすごい!」
5㎝しかない小さな体なのに!
「わしゃあ、やるときゃやる!」
えっへんとばかりに胸をふんぞり返らせるお爺ちゃん。
「もう、徹夜で騒いで居眠っちゃだめだよ」
レインボーさんの辛口の突っ込みにもめげず、
「は~い!」
と浮かれるお爺ちゃん。
幸せそうなお爺ちゃんを見てると、私もうれしくなってくるよ。
なんて思っていたら、延々とハニーの惚気話が始まった。
いつかハニーに会いたいなぁ~。