至福な朝
澄んだ朝の空気が、窓のカーテンを優しく揺らしている。
小鳥のさえずりが聞こえて、目を開けると、小虎がすぅすぅと可愛い寝息をたてていた。
至福…!
カイルの耳がぴくっと動いて、つぶらな瞳が開かれた。
「キュウン」
なんて可愛い声で鳴くの!
朝から、萌え死にそう~。
カイルは、のしっと私の上に乗ってくる。
抱っこしてって?
するともするとも♪
ぎゅうっ♪
気持ちいいなぁ~。朝から、最高の手触りのもふもふって。
もう何もしたくない~。このままカイルともふもふしていたいよ~。
ぐぅぅ…。
カイルのお腹が、そうはいくかと鳴いた。
そりゃそうだよね。
「起きようか、カイル」
可愛いカイルの頬にキスをしてから、一緒にキッチンへ向かった。
キッチンではアーシャさんとレオンさんが仲良く一緒に料理を作っていた。
「おはようございます!」
「おはよう、ルカちゃん」
「おはよう。よく眠れたか?」
キッチンにはモデルのような美男美女が! テレビCMでも見てるみたいだ。
「おかげさまで、ぐっすり眠りました。カイルが一緒に寝てくれたんです」
「そうか、よかったな」
爽やかなイケメンスマイル炸裂! 朝から良いものを拝ませていただきました。
大きな木のテーブルの上には、畑でとれた野菜や果物をふんだんに使ったサラダやスープが並んでいた。ミルクやパンもある。
もしかして、牛さんもいたりして?
「ちょうど出来たから、食べましょう」
アーシャさんが、私の座る椅子を引いてくれた。
ストレートブロンドのキューティクルが眩しく美しい。
「あのっ、後で畑のお手伝いをしたいと思ってるんですが」
私が言いかけると、レオンさんが笑って言った。
「気を遣わなくていいよ。魔法で農作業してるから、すぐ終わっちゃうんだ」
「魔法で農作業?」
「あとで見に来るか? カイルと一緒に」
「はいっ! カイルも一緒に見ようね」
「キュルル~」
カイルが可愛く返事をするので、みんなで笑ってしまった。
アーシャさんとレオンさんの作ってくれた朝食はとても美味しくて、優しいお父さんとお母さんができたような気持になってしまう。
ふたりに喜んでもらえることがしたいなぁ~。