最終ステージ
「玉乗り競争じゃ! この廊下のつきあたりにワシより速く到着することが出来たら、4階へ行かせてやろう!」
自信満々で「玉というのは、こう乗るんじゃ!」と乗り方の説明まで始めたマントおじさんだったが、ルカとカイルに大差であっさり負けてしまう。
そして何事も無かったかのように、口笛を吹きながら何処かへ行ってしまった。
どこまでもマイペースな玉乗りマントおじさんだったが、にくめないタイプだ。
4階ではパン食い競争、5階ではのど自慢大会、6階ではドジョウ踊り大会、と数々の競技をクリアして、ついに7階の最終ステージに辿り着いた私とカイル。
「さすがに疲れたわ…カイル」
「ドジョウ踊りでクネクネしすぎて、腰が~…」
「のど自慢大会で調子に乗ってポンポコ音頭を歌い踊り過ぎちゃったわ」
7階の廊下で、バテ気味の私たち。
「でも、もうすぐゴールだ。頑張ろう!」
「うんっ!」
疲れていても前向きなカイルを頼もしく思う。
7階の大きな石の扉をふたりで押し開けると、壁も床も天井も黄金色に輝く室内が瞳に映った。
ドアから部屋の最奥までレッドカーペットが敷かれ、ダイヤのように煌めく豪華な椅子に、ロングストレートブロンドの美女が優雅に座って、私たちを眺めていた。
「ようこそ、最終ステージへ」
優美な微笑みが揺れている。
彼女は左の掌から、直径20㎝くらいの赤い薔薇の花をポゥッと出現させた。
続けて、同じ大きさの、緑、青、黄、オレンジの薔薇を出現させ、私とカイルの目前に浮かばせた。
「さぁ、好きな色の薔薇をどれか1つ選びなさい。それは、ご褒美かもしれないし、試練かもしれないわ」




