兄、日常
兄視点開始です。
俺の名前は如月 魁斗だ。
如月家の長男として生まれ、年子で3人、そこからは年が離れた兄弟が合計で6人いる。
10兄弟の長男ではあるが、4男までしか話したことがない。
年が離れていて会話ができないのだ。
兄弟なんてそんなものだと思う。
それよりも仕事が忙しい。
兄弟4人で会社を立ち上げたのだ。
社長として仕事をしている。
もちろん長男だからだ。
他の兄弟たちも賛成してくれた。
というか、面倒だから押し付けたという感じだろう。
これは長男の定めだからしょうがない。
そんな忙しい毎日を過ごしているうちに、悲劇が起こった。
5男の弟が自殺をしようとしたのだ。
未遂ですんだが、一歩間違えれば死んでいたのだ。
なぜそのようなことをしたのか問い詰めたい。
誰かが聞いていたが、答えなかった。
理由は簡単で、ストレスなどにより一時的に話せなくなっているそうだ。
彼に話しかけても反応はなかった。
感情が理解できていないかのようだった。
彼は退院したあとも、部屋に引きこもってしまっていた。
今までなにもしてあげられなかった分、甘やかしてあげたいと思ったのは兄としてだろうか。
彼も気にはなるが、ネットで知り合った人がいる。
会社名などは伏せているが、会社の愚痴を聞いてアドバイスしてくれるのだ。
なんとなく5男の弟に似ている
『ヒロ』
彼はとても聡明で、何でも聞いてくれる優しい人だった。
俺は『カイト』として『ヒロ』を尊敬している。