檻、消えた
檻
それは何かを閉じ込めるためのもの。
俺の心は檻から解放された。
兄弟たちがいたからだ。
10人兄弟の5男として生まれ、最初は誰にも相手にされなかったが幸せをつかむことができた。
徐々に話せるようにもなり、感情が表に出るようになった。
知らない人はいないと言われているほどの会社を立ち上げた兄たちと、アドバイスによってさらに発展させた俺。
俺は如月家に生まれることができてよかったと思う。
稼いだお金は口座に貯まっている。
俺はそのお金を使って相談所を建てようと思っている。
勿論、会社のアドバイザーとしても仕事はする。
何か困ったことがあったらここに相談すればいいと言われるほど繁盛した。
子供がいじめ相談をして来たりする。
友達がいじめられていて、自分の力じゃ助けられない。
どうすればいい?
そういうときに一番最適な方法を教えてあげる。
金融業も営むようになった。
本当に貧乏な人にお金を貸してあげるのだ。
返せるようになったら返してもらう。
無理だった場合は別になにもしない。
それでもお金は口座に残っている。
それらは学校に寄付をしたりした。
全寮制の学校に通う奨学生の食費まで出せるようになったり、皆の役に立った。
それが何よりも嬉しかった。
檻は消え去り、心が解放されたことで見えた世界。
それは、何よりも素晴らしいものだった。
これで完結になります。後は兄視点で物語を書こうかと思っています。その際、兄視点で投稿済みの物語と被ってしまいますが、ご了承ください。