10/12
毎日、忙しい
それからは忙しいが充実した日々だった。
聞かれた内容に答えたり、経営について口出ししたり。
というか、この会社に俺がいないと経営が成り立たないのではないかというほどだった。
世界中に愛されている会社。
いろいろな支部があり、誰もがこの会社に入ることを目標にしている。
俺は少しずつ声が出るようになった。
兄弟たちに正体をばらして本当の意味で正式に入社したり、とても充実していた。
弟たちとの関係はあのときのままだが、兄たちとは仲良くなった。
今はとても楽しく過ごしている。
そうそう、友達もできたんだ。
坂本 伊織っていう人。
世界的に有名な極道の当主で、俺と同い年。
不意打ちで絡まれていたところを助けてあげたらなつかれた。
伊織はおもしろいやつで、一緒にいると楽しい。
勿論、坂本組の発展のためにアドバイスしたりした。
とりあえず、あのとき死ななくてよかったと思っている。
もしあのとき死んでいたら、こんなに楽しいことを知らなかっただろうからな。