おまけ03 シャル
わたくしは、シャル・ロゼナと申します。沿海州はベリーグの町にあるロゼナ商会の主でございますの、以後お見知りおきを。
わたくしどもの商会では、ガラスという珍しい商品を取り扱っていますの。ガラスは数を揃えるのがとても大変な加工製品となりますの、だからとても高価になってしまいますわ。数が少ないので流通経路も少なく、そこさえ抑えればライバルの商会が生まれにくい商品ですわ。
ええ、おっしゃるとおり、わたくしどもの商会は大変儲けしておりますわ。叔父様が経営するイバッセン商会も助けてくれますし、今のところロゼナ商会は順風満帆です。
それに、公にはできませんが商品の仕入先である他国のサーナバラとは友誼を結んでおりますの。
なぜって、……それはお話できませんわ、我が商会の商売上の秘密ですもの。
そうそう、先日そのサーナバラからとても大きな商隊がベリーグにやって来ましたわ。ガラス製品を運んできたのですけれども、その質と量にはびっくりいたしました。同品質の品の数がそろっているんですもの、そしてその量は数年分の商いに相当しますし。
一品物で高級な物もよろしいのですが、高級でなくとも同品質で数がそろっていることも価値のある品になりますわ。特にあの板ガラスというものは売れますわね。
サーナバラからの領主の伝言では板ガラスを使ったモデルハウスというものを、このベリーグの町に建てるということでしたわ。もちろん、サーナバラの費用持ちで。
素晴らしいアイデアです。我々商人はその品の価値を一目で知ることができますが、商人でない方々は実物をみるまで物の善し悪しがわからないのが普通です。ですから、叔父様にお願いして土地をサーナバラの方にご紹介いたしました。
すると、サーナバラの方は早速ガラスの家なるものを造るよう発注してサーナバラに帰ってしまいました。建築現場で監視もせずにいなくなるなんて驚きですわ。ですが、全てを任された大工の棟梁は感慨深げにしていたそうです。
信じられません、持ち逃げなど心配ではないのでしょうか。それとも……まあ、よいですわ。
発注した家は二階立てで、二階のひと部屋を総ガラス張りとするようで、大工の棟梁が頭を捻りながら楽しそうに造っておりますわ。わたくしもその部屋の出来上がりが楽しみです。完成してわたくしが気に入ったら、そこにお客様を招き商談することになりますの。
えっ、サーナバラの建物なのに勝手に使っていいのかと言われましたか。
ええ、問題ありませんわ、だって、サーナバラ側からの提案ですもの。
わたくしも勉強になりました、まさか生産者が小売りの提案を行うなんて、侮りがたいですわサーナバラの方々も。
そろそろ休憩の時間も終わりですね。また、勉強の再開ですわ。
もう、わたくしの話も終わりです。
あっ、そうそう、いざというときは我がロゼナ商会はサーナバラ側につきましてよ。
どうしてって?
もちろん、バレンナお姉様がいらっしゃるからですわ。
それだけって?
ああ、そういえばサーナバラの方々はわたくしの命の恩人でもありましたわね。
シャルの思いのSSでした。その思い王国編へとつながるか。
次回のおまけ、〇〇〇
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