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おまけ02 バレンナ

 私はバレンナ、バレンナ・サーナバラと言います。サーナバラ領主サブローの妹です。


 なぜか気がつくと領主の妹になっていて、今は見知らぬ王国の地で大将と呼ばれ戦っています、なぜでしょう。


 ええ、それは、私が選んだ事ですから後悔はしていません。


 なぜでしょうと不思議に思っているのは南端の村で暮らしていた私とラズリが、このまま埋もれていくところに、いきなり兄と姉ができその兄が金と土地を得て、さらには南端の村人を移住させサーナバラという村まで作ってしまいました。おかげで兄は領主となり私は領主の妹、しかも次期領主という立場となっています。


 なぜでしょう。なにが起こったのでしょう。


 いえ、それを不満に思っているわけではありません、むしろ幸せなことだと思っています。


 ラズリやトアちゃんといった南端の村の幼馴染みと別れることもなく、オドンさんはじめ、いまやサーナバラ軍の中隊長となった村のみんなともいっしょです。そこになんの不満もありません。


 不満があるとしたらどんどんと大きくなるサーナバラの新しい住民が、私に遠慮する態度を見せることが増えてきたことです。私が領主の妹ということで新しい住民が遠慮しているのでしょう、寂しいです。


 さて、話は変わりますが今は王国の南地方にいます。残念ながら戦いのためです。兄は申し訳なさそうに私たちに遠征のことをお願いしていましたが、私もラズリも戦うことに躊躇ちゅうちょはありません、むしろサーナバラの役に立つことができて嬉しいです。


 ラズリ、ソル、オドンさん、イーテルさんたち、みんなもいるので心配はしていません。いざとなったらサーナバラまで逃げるだけですから。なんとかなるでしょう。


 戦いは心配していないのですが、最近、寒気に襲われることがあります。寒気というか全身に虫がはうような視線を感じるというか……うう、ぶるっ、またです。


 えっ、大丈夫だよ、ラズリ、心配しないで。たぶん、病気じゃないような気がするの。ラズリ、ごめん、話を続けて。


 ラズリがこの地方の商人たちの話を集めて分析すると、どうやら王国南地方の貴族たちは人を集めたみたい。ところが思うように食糧が集まらないから出征はできないんだって。それはラズリがこの地の商人たちを使って食糧の売る量をコントロールしているから。


 凄いよ、ラズリ。まるで大商人みたいだよ。


 サブロー兄さんは、私にサーナバラ領主を、ラズリにはサーナバラ商会を渡すって言ってくれています。だけど私たちはべつにそんなものが欲しくて妹になったわけじゃないんだけど。4人で普通に暮らせればそれで幸せなことなのに。


 でも、兄さんと姉さんのおかげで、いままで考えたこともない新しい世界に出会えたの。まさか、剣を握って魔物と戦ったり、軍を率いて他国を遠征するなんて。それに王国貴族の奥様や沿海州の商家の娘さんとも知り合いになれた。最初の丁寧な語り口はその奥様は教えてもらったの。奥様は私に優しくよくしてくれて貴族の作法なども教えてくれる。商家の娘さんは、なぜか私を気にいってくれて私をしたってくれている、私に変な恰好さえさせなければよい子なのだけれど。


 こんなふうに、どんどん私の世界が広がっていく。いったいどこまで広がるのだろう。不安もあるけど楽しみなの。


 だから、サブロー兄さん、ナビ姉、いつまでもいっしょだよ。


 ねっ、ラズリ。





バレンナの思いのSSでした。その思い王国編へとつながるか。


次回のおまけ、〇〇〇


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