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居酒屋、それは恐ろしいものだと。

「ええっと、どんな服着ればいいんだろう?」


第13部隊には一応、制服というものがある。私はずっとそれを着ているので、毎朝の支度には困らない。けどこんな時に困るなんて。これからはちょくちょく私服も着ていくことにしよう。


大山さんはスーツ。木村さんと松井さんは私服で、川瀬さんは白衣をいつも着ている。こう考えると私しか制服を着ていない、というのはいかがなものか。


約束の時間まであと10分。軽くシャワーを浴びて、カバンに物を詰めたら意外と時間がかかってしまった。


「これでいいかぁ」なんて考えてはいるがいまいち納得していない。それでも好きな人と出かけるわけでもないし、無難なのでいいか。と考えて納得させる。


「財布よし、ハンカチよし、携帯よし、......」


ものの確認も済んだし、行きますか!


約束から30分後ちょうどに支部の入り口につく。松井さんはいつもの白衣をそのままにそこで待っていた。


「すみません、待ってましたか?」


「いや、今きたとこだよ。じゃあ行こうか。」


こうしてみると彼氏と一緒にいるみたいだが、確か川瀬さんは私より8歳も年上のはずだから、そうは見えないだろうし、そんな気分にもならないだろう。


しばらく歩いて、川瀬さんおすすめの飲み屋があるということでそこに行くことにした。


「うん、なかなかここに来るのも久々なんだけどね。まあ女の子を誘ってるということで少しいいとこだよ。」


引き戸を開けながら笑って私に話しかける。......なにか裏があるんじゃないだろうか。


「私、飲めないですけど大丈夫ですかね?」


弱い、というわけではなく、私は未成年だ。ソフトドリンク、あるかなぁ?


「あぁ、大丈夫大丈夫。ここいろんなドリンクもあるし、なかなかご飯もおいしいよ。」


「へぇ、そうなんですか。たのしみです!」


とは言いつつも、男の人と二人で食事することなんて実は初めてで、緊張していて、いつも変態な川瀬さんがなぜか優しくて、少し混乱している。


こちらへどうぞ、という店員にいわれるがままテーブル席に座る。どうしたものか。いや、これは正しいんだろうけど。


「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください。」


「僕は、そうだなぁ。焼酎にしよう。倉坂はどうする?」


「私はとりあえずウーロン茶にしておきますかね?」


「わかった。嫌いな食べ物とかある?」


「ナスが苦手です。」


「そうなんだ。よし、じゃあ適当に僕が頼むけどリクエストはある?」


「いえ、特に。おすすめをいただきますよ。」


こ、これは完全に川瀬さんのペースだ!大丈夫なのかな?でも居酒屋でどうしたらいいかもあんまりわからないし。


「店員さん!すみません、オーダーお願いします。」


よく考えたら、特に何もないんだったら緊張しても仕方ないよね?


「えっと、イカの塩辛と、タコの天ぷらと.....」


のども口も乾いてきて、それに目が回りそう。


「以上で。って倉坂さん大丈夫?」


「え、え、えっとー。大丈夫です、多分、ハイ。」


「すごいぼーっとしてたよ?体調でも悪い?」


「いえ、それは大丈夫です!あの、はずかしなら少し緊張しててですね。」


そんなに私はおかしく見えただろうか。どのくらい飲むかわからないけど、大丈夫かなぁ。無事に帰れるかなぁいろんな意味で。

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