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任務終了。

目が覚めるとそこは知ってる天井でした。まあ当然なんですけどね?


「お疲れ様です、倉坂さん。一足先に松井さんが帰ってきていますよ。」


川瀬さんに装置を外してもらいながら、隣の松井さんにあいさつをする。


「おう、おかえり。あのままどうにもなんなかったんで帰ってきたよ。すまんな。倉坂。」


申し訳なさそうにする松井さん。私は何もしていないけど少し悪い気分になってしまう。


「いえいえ、松井さんは悪くないですよ。妨害電波であのスーツが動かなくなるなんて思わないですし。


「ははは!そりゃそうだな。川瀬、しっかり改良していてくれよ?」


「いやいや、面目ないです。」


川瀬さんが苦笑いでこっちを向いて、機械のほうに向き戻る。


しばらく松井さんと話をしていると、もうすぐ終わりなようで、川瀬さんがカウントダウンをはじめる。


「残り1分です。...残り40秒です......」


こうやって川瀬さんをみていると本物のオペレーターみたいな感じがして、かっこよく思えた。戦闘オペレーターを見たことがない私がいっても褒め言葉にはならないと思うけど。


「川瀬は仕事の時は、こうやって真面目でしっかり者に見えるんだけど、普段がなぁ。」


それは同感である。そんなことを言ってるうちに、カウントダウンが終わる。


「4、3、2、1、0。お疲れ様でした。なかなかいい結果が残せたんじゃないですか?ではシャットダウンしますね。」


「お疲れ様です、川瀬さん。一時間も大変ですよね?」


グーッと伸びをする川瀬さんにねぎらいの言葉をかけると、照れくさそうに


「いえいえ、そうでもないですよ。ずっと動き回ってる倉坂さんたちに比べたら僕なんてずっと座って指示してるだけですから。」


それもそうか、と思ってしまった。しばらくして大山さんたちが起き上がって装置を外し終えると川瀬さんが前に立って仕切りなおす。


「みなさん、お疲れ様でした。今回の戦果を発表しますね。個人個人では少し差が大きすぎるので置いておきますが、全体の戦果としてはたいしたものですよ。敵兵撲滅率89%、拠点制圧、無力化率は87%。初めて任務を行った班、いや小隊としてはありえない達成率ですね。


 まあ、これの50%が松井さん、というのも少し考え物なのでほかの方の強化を中心に今後開発を進めておきますね。あ、反省は個々でお願いします。みなさん、肉体はバーチャルなのでそうでもないと思いますが、精神疲労は相当なものだと思うので。私からは今日はこの程度です。では隊長、これからの指示を。」


全員の視線が大山さんに向く。10秒ほど考えたあとに大山さんは、


「では今日はこれで解散とする。今日の戦闘、武器についての報告書を川瀬に提出するように。今後のためだ。近々、任務が入るらしいので備えておくように。では解散。」


「「「「「お疲れ様でした。」」」」」


部屋から出ようとしたとき、川瀬さんに呼び止められる。


「あ、倉坂さん、少しお話が。よろしいですか?」


「ええ、構いませんけど。それより今日はもう終わりですから、敬語使わないでくださいよ。」


「いえ、でも研究の話なのでもう少し。それにそれをいうなら倉坂さんだって。いつになったらため口で話してくれるんですか。」


「いや、やっぱり年上なんで申し訳ないですよー。で、話って?」


川瀬さんは仕事をしているときはずっと敬語だ。5人の中で一番年上なのになぜかと聞いたら、「癖みたいなものだし、そのほうが頼み事もしやすいし説明もしやすい。」とのことだ。


「ナイフの件......とはいわなくてもわかりますよね。その中でもウィンドブレーカーについてですがどうでした?使い心地。」


「いえ、特に問題はありませんでしたけど。なにかあったんですか?」


「それが実は......」


そのあと、10分程度で機構の軽い説明を受け、連続使用で人体へ少し負荷がかかることや銃撃を受けたときに衝撃が身体へ伝わること、その危険性について聞いた。


「どうです?そのあたりで何か感じるものはありました?」


「うーん、そうですね。衝撃は確かにありましたし、使ってる時に体が少し重くなってくるような感覚はありましたけど、そこまで気にするほどではありませんでしたよ?」


「そうですか。倉坂さんで軽い負担を感じているならもう少し改良が必要ですね。大山さんや木村さんの武器にはついていないんですよ。実は。むむむ、難しいですね。またよろしくお願いしますね。」


「いえ、こちらこそ。ではまた。」


「はい、では。と言いたいけど、この後、付き合ってくれない?」


川瀬さんがくいっと、飲みに行こう、と誘うジェスチャーをする。


「私でいいんですか?まだ19なので飲めませんよ?」


「いいんだよ。松井は今日は家に帰るらしいし、大山と木村は二人で飲むらしいし。一人じゃ寂しいからさ。」


お願いのポーズをしながら言う。別に断る理由がないので、


「わかりました!では、一度部屋に戻りたいので、30分後に入口で待っててくださいね?」


「ありがとう。じゃあ僕も部屋に戻るとしますか!じゃああとで。」


「あとで」といって、二人手を振り、自分の部屋に戻る。ああ、二人でお食事するのいつ振りだろう、なんて考えながら歩いている私がいた。もしかしたら、終わってすぐ部屋に戻る私に川瀬さんが気を使ってくれたのかな、とか。


そんなことを考えている自分がおかしくて少し笑いだしてしまった。

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