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「人」の夢。「鳥」の夢。  作者: 黒さや
2 「人」の夢。「鳥」の夢。
6/11

2-1 或る日の日常。

今日も人は夢を見る。


未来の夢だ。


 といっても、石でできた建物の夢ではない。

これからをどう生きるか。どう描くか。そういう夢だ。

農家だが、米を作っているだけでは生きていけるとは限らない。

草鞋を編み、籠を作り、日銭を稼ぐ。


 子は作りたいが、少しの銭すら溜まる気配のない状態では…

子を作った所で、死なせてしまうだけだ。

そもそも、妻が出来たとして、このままでは食わせていく事もままならない。

妻を娶る気概も、子を育てる意気地も無いというのに… 私が子を求めるほうが間違っていると思う。


 「まぁ、兄みたいに… 

 銭も気概も無くとも、妻も子も養う事もできるのだろうか。」


 私には兄がいる。

前にもどこかに書いたかもしれないが、私は次男であり、上には兄がいる。

この時代、人が死ぬという事も珍しくないのに… 兄は大柄で、人柄も良い。

面倒見もよく、誰からも好かれるのだが…

後先を考えず、頭より手が出る。

手が出すぎて、養いきれない妻や子を作るほどだ。


 だが、養いきれない。というと語弊がある。

義姉も姪も幸せだし、日々、身を粉にして働いている。

ただ、家族3人が身を粉にして働いても得られる糧が… とても少ない。

日々、喰う米や麦すら危うくなるほどだ。


 私もそうだが、この集落の食糧事情はあまりよくない。

かといって、改善方法もない。

この時代、一度飢饉があれば、都の餓死者で川が埋まるほどだ。

楽だからと言って、死体処理のために死体で川を埋めないで欲しい。

川の水が腐り、子供達が川で遊べなくなる。

魚が取れなくなり、タダでさえ良くない食糧事情が悪くなる。


 去年は不作だったが、まだそれでも…

「飢饉よりはまだ、マシだ。」と、そう思える状況ではあった。




 話は変わるが…

隣の集落に住む、まつという娘がいる。

隣と言っても、一軒一軒が遠く、鳥の夢に出てきたように手を伸ばせば届く。というような所には無い。

もう、遠の昔、私の家から明けぬうちに歩き始めて、辺りが明るくなり、お腹が空き始めた頃に漸く着く。

という、その寺子屋に通わせていただいた時に知り合った娘だ。

器量も良く。気立ても良く。人柄が良かった。

籾を隠して、せこせこと生きている私よりは… 何倍も好かれる性格をしていた。

比べるのも烏滸おこがましいほどだ。

まぁ、私がまつを好きではあったのだろう。

普通に話せる娘の中でも、まつを前にすると言葉を発する事すら難しかったのだから。

好きだと確信するには、遅すぎたと実感している。

気付いた頃には、互いに寺子屋を出て、田畑を作る日々へと変わっていった。

逢う事すらなくなっていた。

私には、恋愛より食い気である。そうしないと死んでしまう。そう確信しまっている。



 日々、死に近く、ここが現実という感覚が乏しい。

今の状況が、鳥が見るの夢であればいいのに。

夢から覚めてしまえば、私は子と暮らす日々に戻れるのだろうか…



 考えても答えは出ない。働かないわけにもいかない。

とりあえず、畑を耕さねば… 家にある籾も無くなりかねない。

節約して、あと5ヶ月分はあると見ているが…

雪が融け、夏に入る今、5ヶ月分では足りないかもしれない。


畑仕事だけではなく、いろいろ頑張らないとな!!

あれ… もう3時じゃね?(;´Д`)

長くかかりすぎーーーーーっ!


ホントあかんっ!


あ、そそそー。季節が出ました。

1~3月春。4~6月夏。7~9月秋。10~12月冬で行きたいと思いますー( 艸`*)

実家の辺りの麦の収穫が6月上旬のため、7月下旬に。

米も9月下旬のため、10月下旬にさせていただきますー

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