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「人」の夢。「鳥」の夢。  作者: 黒さや
1 「鳥」の夢。「人」の夢。
4/11

1-4 生きる糧。

人は糧を得る。

生きるために。



 この集落には人が100名程度…

小さいとはいえ、20世帯も住む集落。


 殆どが農民で、日が昇り、日が沈むまで畑や田を耕す。

耕す畑や田がなければ、草を毟る。その草も無ければ、畑仕事は終わりだ。

畑仕事が終わったからといって、仕事は終わる事は無い。

  縄を編み、草鞋を作る。

  木を切り、鍬を作る。

  竹を切り、ひごをつくり、籠を作る。


 木で作った鍬ではすぐに壊れるが、夢で見た金属の鍬などは…

私の知る限り見たことはない。なにしろ、作り方もわからない。

使いやすそうではあったが… 木製で作るので精一杯だ。


 夢で見た人たちは、草鞋ではない履物を履く。

温かそうで、履きやすそうな、草鞋より頑丈そうな履物を履いている。

とても羨ましい事だ。

寒い時期にも、草鞋だと足が凍える。

風が吹けば、足は冷たく…

雨を含めば、体温を奪い…

雪の中を歩けば、凍傷にもなる…

まぁ、草鞋を履く以外の選択肢が無いのだが。


 夢で見た人は、竹ではない籠を持つ。

どうやって作ったかも想像し得ない籠だ。

背負い籠の様な物はあるが、夢の中では竹で編んだものとはまったく違う。

腕や肩にかける籠も美しいものだ。

獣の皮をなめして作るか、竹で作るか事でしか想像できないが…

使いやすそうではある。

が、無いものは仕方ない。


 羨ましい限りだ。



 まぁ、考えても仕方が無い。

稲や芋を作り、草鞋や籠を作り、日々の糧や銭を得ないと生きてはいけない。

年貢を納めねば米を作れない。

そもそも、庄屋様から借りている土地だ。年貢を収めねば田畑は使えない。

収め過ぎれば、人は生きていけない量の籾を毟り取られてしまう。

来年からは作ることさえままならない。

今を生きるために… 来る年のために… 

誰かに見つかる前に籾を床下へと隠しておく。


 必要なのは、籾だけではない。

銭もそうだ。村の生活は物々交換で何とかなるが…

物々交換ではどうにもならない時もある。

町に必要なものがあった場合だ。

木や藁を使い、物を作っていても、釜など鉄を使った物は作ることが出来ない。

薬も銭がないと手に入らない。まぁ、銭があっても高すぎて手に入らないが…

そのために、やはり銭は必要だと思う。


 その銭も籾や米を売っていては大した銭にならない。

ほとんど年貢で取られて、私独り生きていく分しか残らないが…

足りないからといって、米を買う時は高いのはなぜだ。

町で米を買うことは絶対にない。




 そうこう考えているうちに、もう夕暮れ。

夜になっては、何も見えないので・・・ 

出来る事は、明日することにしよう。


今日も夢を見ることできると良いのだが。  

ホント、こんなの見てくれる人なんて出てくるのかね(´・ω・`)

不安過ぎて、寝られそうにないっZzz…[布団]黒σω-`o)。o○

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