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Free・Build・Online  作者: アースウェル
「やはりゲームとは上手くできている」
17/19

第16話

すいません・・・。本当に連絡もなく投稿遅らせてすいません。急に低スペックPCがぶっ壊れて投稿も何もできませんでした・・・。その上身内の行事もテストまで・・・。ストーリーは思いつくのに文章構成速度がおっつかないのが妬ましい・・・。

 いざ黒馬が目の前まで迫ると俺とサイカは一瞬で頭のスイッチを切り替え、俺はシリア。サイカはヒナを抱えて左右に飛ぶ。一瞬前まで俺たちがいたところに蹄がめり込み、木の実が木っ端に砕け散る。


「今回はボスが出るパターンのようだね。ライト!」


「分かってる!」


 他の人はどうなのかは知らないが、護衛ミッションで楽なのは、どっちかといえば雑魚の群れより強力な単体だ。

 だが、それにも条件がある。そういう敵は何か一つでも相手を抑え込めるだけの力技が無ければならない。今はゲームが始まってほとんど立ってないだけあって、俺にも、サイカにも、もちろんヒナにもボスクラスを抑え込めるような強力極まりないスキルはない。


 相手の足を止められる確証がないなら、その分シリアを守りきれる確率もぐっと低くなる。幸い今は大昔のRPGのようにボスから離れられないわけじゃない。ならば出来るだけ安全なところで避難してもらうのが吉だ。

 俺たちは二人を地面に下すと、安全なところに隠れるように促した。


「ヒナ。お前はシリアと一緒に隠れてろ。何かあったら俺かサイカを呼べ」


「お兄ちゃんは?」


「当然戦う。放置してても逃げられるわけじゃないしな」


「あたしもね」


 俺たちはそれぞれ腰を上げて敵と対峙する。シリアは腰が抜けたようで、ヒナがおぶっていくことになった。

 おぶられたシリアが緊張した面持ちで告げてくれる。


「お二人とも気を付けてください。森で出てくるモンスターの事はお父さんたちからよく教えてもらってるけど、あんなのは聞いたことがありません」


「忠告ありがとさん♪」


「気を付ける」


 俺たちはその返事を合図に、思い思いの武器を持って飛び出した。


「あれ?あの女からもらったの使わないの?」


「ああ。あれはスライム狩るために用意したしな。てかあの女って感じ悪いぞ。お前らしくもない」


「うっさいバカ」


 なぜか機嫌が悪いサイカの言う通り、俺はまたひのき装備だ。だってスライムに使う前にぶっ壊れては意味が無いし、この馬で試すのは分が悪かろうに。

 そんなことを言うサイカは、右手に炎のような不規則な形の刃をもつ深紅の曲剣を握っている。恐らくそれがβ時代からの引き継ぎ武器だろう。その性能も期待できるものに違いない。


「やあ!」


 サイカはそれをアポンを食べている馬の腱に突き立てようとするが、毛皮が少し焦げるだけで刃がはじかれてしまった。


「くっ!固---」


「サイカ!」


 攻撃した直後、体が硬直したサイカを馬の後ろ蹴りが襲う。直撃は避けたようだが表情とパーティー情報で確認できるHPを見るに無傷とはいかないようだ。


「『振り下ろし』!」


 なんとか馬の気を引こうとスキルを発動し襲い掛かるが、あっさりと跳んで避けられてしまった。

 それでも何とか距離は取れたので回復薬をサイカに使いながら作戦を練る。


「奴をどう見る?サイカ」


「ゴリゴリの物理型だね。あたしのサーベルは属性攻撃がメインでも、そこそこの攻撃力はあるはず。それなのにかすり傷も無いなんて異常だよ。それでもほんの少しだけやけどしてるところからすると魔法防御は低いようだね」


 確かにここから見てもやけどの跡だけは確認できる。スムーズに攻撃を避けただけあってスピードも高いようだし、つり合いも考えて遠距離攻撃は無いものと考えていいだろう。


「なにかいい案はあるか?」


「ない事はないけど時間がかかるかな」


「分かった。何とかしてみる」


「頼んだよライト!」


 サイカがサーベルを構えている間、俺は突進を躱しながらスライムジェルを一気に3瓶分黒馬に投げつけた。

 黒馬は避ける事も無く瓶を受けるが傷などどこにも見受けられない。だがここからがこの作戦の真骨頂。辺りに散らばったスライムジェルはすでに《繰液術》で支配済みだ。それらが一つにまとまり、黒馬の頭部を埋め尽くす。奴も何とか剥ぎ取ろうとあがくが一向にうまくいっている様子が無い。


「よし、成功だ!」


 あれだけの巨体だ。完全に窒息させるにはいくらハイブリットになった《操液術》でもMPが足りないが、それなりに体力を削ることも時間稼ぎもできるはずだ。

 あとは出来る限りMPを削らないように形をキープすることだけを注意すれば・・・。そう思っていると黒馬が右脚で地面を強く踏み抜き、空を仰いで嘶いた。


『------!!!!!!』


「なっ!ジェルが剥がれて!」


 俺の意志に反してぼとぼとと地面に落ちて煙を上げるスライムジェル。もう一度《操液術》をかけようとしても無音の嘶きの所為か一切作用せずにジェルが消えてしまった。


「やっぱり楽は出来ないか・・・」


 俺はその手に握るひのきの棒を強く握りしめた。

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