第10話
これから作者の学校が再開されるので、3日に一度がスタンダードになります。都合によりたまに遅れも出ますが、寛大にお願いします。
「んー・・・」
目の前に現れた円陣。ひょっとしたらポータルというものだろうか?出現条件としては・・・やっぱりあの不良ゴブリンの討伐か。
まあそこまではどうでもいい。大事なのはその行き先だ。ボスを倒して解放されたとするならば、順当に考えて次の町とかフィールドなのだろう。だが---
「あれがボス・・・ねぇ・・・?」
いかにも小物な不良スタイルのあのゴブリンがボスというのは、少々失礼ではなかろうか?それにゴブリンのボスなら仲間ぐらい呼べただろうし。
それに加え、あまりの呆気なさも考慮すると、『群れを嫌う1匹狼』って感じのイベントモンスターにしか思えない。そうなると・・・。
「イベントステージって感じかな」
いかん。ちょっとワクワクしてきた。
こちらの武器は、さっきスライムゲルを不良ゴブリンに使ってしまったせいで本当にひのきの棒だけだ。このポータルに入った先で雑魚ラッシュにでもなったら死に戻りは確定。
町で装備を整えておきたいところだがだが、ここに問題がある。
1つ。このポータルがいつまであるかわからない。5分後かもしれないし5日後かもしれないし、今すぐかもしれないしずっとあるかもしれないし。何時までもあるなら問題はないが、消えられてもう入れませんじゃ困るのだ。
2つ。またここにこれる自信がない。ぶっちゃけここまでのんびり歩いてついただけなのだ。どうやってここに来たのかも分からない。このゲームにマップ機能はないし、辺りもただ背が高い草が生い茂ってるだけで、木を傷つけたりして目印を付けるわけにはいかない。
3つ。同様に帰り道が分からない。どっちに町があるのかもわかんないよフィールド広すぎだろ。
・・・3つのうち2つが迷子って言うのはさておき、退路はもうないのだ。
「とりあえず入るかー。入ったらまた最初の町のポータルで行けるかもしれないし」
俺は比較的気軽に新天地に向かった。
/////////
新天地に着いて見えたのは、砂岩で作られた町だった。詳しくは知らんが砂漠の町って感じだな。リスポーン地点がオアシスなとこもそれっぽい。
どうやら安全地帯らしくモンスターは一切いない。雑魚ラッシュも密かに期待していたので少し残念だ。見たところNPCしか姿が見えない。
「まあイベントステージなら当然か」
ポータルで調べたところ、ここから最初の町にも飛べるようだ。その逆もしかり。
どうせすぐ戻れるんだし、少しゆっくりするとしよう。
俺はさっきから目障りな点滅を繰り返すメニューを開く。
するとアイテムとステータスの欄が光っていた。先ずはアイテムを開くと、新しく『ゴブリンの釘こん棒』というものが増えていた。どうやらこのゲーム。作製者の遊び心でいつか痛い目に会いそうだ。
またまた脱力してしまったが次だ次。
「ビルドの方はっと」
/////////
Name:ライト
《装備》
武器:ひのきの棒
頭:なし
胴:初心者の服(上)
右腕:なし
左腕:なし
腰:初心者の服(下)
脚:初心者の靴
《ビルド》残りBP:1
《棒術Lv.10》
《液体操作Lv.5》★
《テイムLv.1》
《識別Lv.1》
《合成Lv.1》
/////////
やっと《棒術》レベル10か。あの一撃で上がったのか、なんか呆気ない。それでも新しいスキルが増えたようだ。早速どこかで試そうかな?・・・え?他のレベルが低い?しゃーないじゃないですか、使えないんだから。
それにこれでBPを獲得できた。
BPとは正確に言うとビルドポイント。レベルが1つのビルドで10上がる毎に1ずつ得ることが出来るもので、これを消費することにより新たなビルドを手に入れることが出来る。今持つビルドも面白いが、序盤はしっかり戦えるよう力がほしい。
まあたったの1ポイントでとれるものはたかが知れておるので、今は放置だ。大切にとっておこう。今は別に気になるものがある。
「なにこの星マーク」
《液体操作》のレベルの上がりがすごいのは、小川での決戦のあとにステータスを確認したので気づいていたが、こんな現象は起きてなかった。
分からないことには何も始まらないので、俺はそこもタッチしてみる。すると新たにウィンドウが開き、こんな文章が浮かび上がった。
『《液体操作》の進化条件が達成されました!BPを1消費して進化しますか?』
ブクマに評価お願いします!




