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【詩集】Shangri-La

夢の残り火

作者: 野鶴善明

 あした この街 離れるよ

 想い出巡りの旅は終わった

 懐かしくて 逢いたくて

 霧煙る街まで戻ってきたけど

 何もかもが変わったんだね


 自転車の波に追い越されながら

 君を送った並木道は

 プラタナスがすっかり消えて

 まっさらの広い道路になった

 想い出の店も何処かへ消えた


 君が突然泣き出した

 竹の香りが漂う公園

 お父さんが反対してる

 別れたくないと泣きじゃくってた

 あの日のベンチに見知らぬふたり


  あったはずの未来は

  時の流れに消えたけど

  ふたり過ごした日々だけが

  僕を支えてくれる

  夢の残り火があたたかいのは

  想い出がやさしいから



 待ち合わせのデパートの前

 白い石畳 綺麗になった

 地下へ降りてはアンパン買って

 いつもはんぶんこしていたけど

 今日は表を素通りするだけ


 昔の友だちに偶然会ったよ

 君の噂をその子から聞いた

 僕がふるさとへ帰ってしまった後

 毎日ずっと泣いていたって

 それから いつのまに引越ししたって


  悲しませてしまった

  それがすごくつらい

  あったはずの未来を

  君に渡せなかった

  夢の残り火があたたかいのは

  想い出がやさしいから



 君の声が聞こえた気がして

 振り返っても人の海

 恋しくて 淋しくて

 よく似た女の子 捜してしまう

 それも今日で終わりにしよう


  街の灯りが揺れてる

  日々は去るほど美しい

  夢の時間がこれからも

  僕を支えてくれる

  夢の残り火があたたかいのは

  想い出がやさしいから



 あした この街 離れるよ

 あした この街 離れるよ

 君よ どこかで元気でいてね

 君よ どこかで逢えたらいいね



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