紳士と熟女のためのお伽噺/三拍子そろったカエルの王子様
昔々ある所にカエルのような顔をした男がおりました。
男は美しく賢く気立ての良い優しい娘に恋をしました。
美しく賢く気立ての良い優しい娘ですから、村の若者はこぞって結婚を申し込みます。
しかし、娘の縁談はなかなかまとまりません。
そこで男は勇気を振りしぼって結婚を申し込みました。
すると、娘は難なくOK。
あれよあれよという間に縁談は進みめでたくゴールイン♪
さすがにこんなに上手い話があるのだろうかと、妻になった娘に男は尋ねます。
「君はあんなにたくさんの縁談の中でどうして僕を選んだの?」
妻となった娘はにっこり笑って答えます。
「私は三拍子そろった人と結婚しようと思っていましたの」
男は聞き返します。
「三拍子だって?僕は不細工だし、頭だって特別良くないし、資産だって特別あるわけじゃないよ。
君は一体どんな三拍子をそろった人を選んだんだい?」
妻となった娘はきっぱりと答えます。
「お酒に溺れなくて、賭け事にはまらなくて、女に暴力を振るわない人よ♪」
・・・
・・・
・・・それって人として最低条件じゃないのか?
と、心の中で呟く男に妻となった娘はにっこり笑って言いました。
「それに貴方はとっても優しいから大好きよ♪」
そして二人は末永く幸せにくらしましたとさ。
めでたしめでたし。
サイト“へのへののもへじ/紳士と熟女のための挿絵のある童話”より、文章のみお引越ししました♪