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君色スカイ  作者: 悠太
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事故紹介?(香苗サイド4話)

先生が入ってきてしまったせいで私は、隣の西脇君に話しかけれなかった。

先生が入ってきたのはもちろん、ホームルームをやるためで。

最初のホームルームといえば自己紹介で決まりだ。

私は自己紹介が苦手だ。

好きなこともないし、部活もやってない。

私について私が紹介することは何も無いのだ。


最初は先生からだった。

名前は佐藤由香子。

平凡だ。

佐藤ならあだ名はきっと、サトウちゃんとかサトちゃんだろう。

教科は英語らしい。

で趣味はピアノだそうだ。

私は趣味とか特技で楽器が出てくる女の子はイメージ的に裕福な家の子な気がする。

あくまでイメージだけどね。


後は出席番号順に一番から順にだ。

私は20番。

西脇君は28番。


私は自己紹介が苦手という以前に人前が苦手だ。

人前に立つと頭は真っ白。顔は真っ赤になる。

今までも人前に立つことは何度かあったけれど

まともに喋れた記憶が無い。


自分の番が来るまで私は何を言おうか必死に考えて、なんども同じフレーズを頭の中で唱えた。

「渡邊香苗です。部活はやってません。趣味は読書です。これからよろしくお願いします。」

おし完璧だ。

特に面白くもなんともないと自分でも思う内容だけど

きっとこれを言うので精一杯だ。


私の番がやってきた。

今までの子の自己紹介は一切聞いていなかった。

まあ自己紹介聞いたぐらいじゃその人のことはほとんどわからないからいいんだけど。



よし。さっきのイメージトレーニングどうりに。

そして席から立ち上がる。

不覚にもそのときに西脇君の方を見てしまった。

西脇君は私のことを見ていた。

急に体が熱くなったのがわかった。

それで完全に私はあがってしまった。

「え、えっと。渡邊香苗です。えっと趣味は、趣味は、、、ありません。と。特技は。。ありません。

これから。。。よろしくお願いします」

なんとか言い終わった。

でも何を言ったか覚えていない。

私変なこと言わなかっただろうか?

ふと気になって右隣を見るとそこには

ポカンという顔をしながら適当な拍手をしている西脇君がいた。

その顔を見て私は何か変なことを言ってしまったんだと自覚した。

またやってしまった。

私の場合自己紹介のジコは事故だ。

私の顔はきっと完熟のトマトよりも真っ赤になっていると思う。

頭は真っ白でしばらく周りの音は聞こえなかった

そんな中で急に耳に入ってきたのは

出席番号28番の自己紹介

「西脇融。バスケ部。特技はスポーツ全般。趣味は読書。バスケ部マネージャー募集してるんで興味あるかわいい女の子は声かけてください。以上で~す」

声は男らしく適度に低かった。

それにしてもなんてぶっきらぼうな自己紹介だ。

それにかわいい子って、

それで声かけたら、自分はかわいいって思ってるって事ジャン。

でも彼は私と違って人前でも上がらないらしい


むしろ私は彼に他人は関係ないんだという印象を受けた

自分以外のものには左右されない。

それと同時に彼から感じたのは寂しさだ。

人の知らない自分だけの気持ちが彼にはきっとたくさんある。

そんなことがわかるのは私自身がそうだからだ。


私が始めに感じた。彼の不思議な感覚はたぶん彼が私と似ているということから来ているのだろう。





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