女の子の汗はレモンの香り!?(融サイド12話)
今日はいい天気だ。
雲ひとつ無い空とはまさしく今日のような空を言うのだろう。
そして今日は4月にしては暑い。
葉っぱなどで切るといけないからと、今日は全員上下ジャージ着用である。
ジャージのなかはまさしく汗だくだ。
汗だくといえば、今日の朝の彼女だ。
小豆色のジャージで、汗だくで、あせった顔をした彼女。
彼女の顔を思い浮かべると笑ってしまった。
「なんだよ急に笑って」
「いや、なんでもない」
「なんかHなこと考えてたんだろ?」
「バカちげーよ」
「アンさんも好きやね」
「ちげーって言ってんだろ」
バシ
俺は貴樹の頭を軽くどついた。
「はい、はい分かりました」
「そういえば、昨日発売のマガジンみた?」
「見た見た。あっちゃんのグラビア乗ってる奴でしょ?」
「そうそう、あっちゃん可愛いよな。」
男子の会話なんてこんなもんです。
ほとんどが女子関係の話。
関係ない話からも結局はそこに行き着きます。
そんなことを言いながら俺も実は
女の子の汗っていい匂いなんだな~と思い返していた。
バスの中で隣同士で、朝走ってきて汗だくだった彼女は
とてもいい匂いがした。
男の汗とは全然違う。
男の汗はなんか体に詰まってた汚いものがいっっぱい含まれてる気がする。
そのせいで部室の匂いはひどい
誰かが練習着を忘れていった次の日の朝なんかは最悪だ。
でも女の子の汗は、違った。
凄くいい匂い。
レモンの香りとかってわけじゃないけど。
そんなことを考えながら俺はもくもくと脚を自分の前方へ
一歩一歩運んでいった。