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君色スカイ  作者: 悠太
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伝言ゲーム(融サイド9話)

目的地まではバスで1時間半ほどだ。

その1時間半で彼女とたくさん話したい。

彼女のことをいっぱい知りたい。クラスメイトが知らないことを僕だけが知っていたい。

でも話しかけるのは簡単じゃなかった。

このときほどクラスレクをうざいと思ったことは無かった。

もともとクラスで何かをするのは好きじゃない。

それはきっと小学生のころのトラウマのせいだ。

僕がまだ小学校3年だったときのことだ。

1年生から6年生までで20人程度の班を作り、学年をこえて交流する授業。

ふれあいTIMEと言う授業が2週間に1回あった。

その日のふれあいTIMEは雨が降っていたので、教室でレクリエーションだった。

小学生しかも雨となれば、できるレクなんて限られている。

ハンカチ落とし。フルーツバスケット。そして椅子取りゲームだ。

事件は椅子取りゲームでおきた。

曲が終わって僕は近くの椅子に座ろうとした。

すると横から5年生の体の大きな女の子。まあ簡単に言えば太っている女の子だ。

が出てきて座ろうとしていた僕にぶつかったするとまだ体の小さかった僕は吹っ飛んだ。

そして隣の椅子の背もたれに頭をぶつけて倒れてしまった。

そのあとしばらくして気づいたときには先生たちに囲まれていた。

そのあと病院にいき特に問題は無かったのだが。問題はあった。

僕が倒れたとき僕がぶつかった椅子には6年生の女の子が座っていた。

そして偶然倒れた僕はその子の膝の上に倒れたらしいのだ。

まあ膝枕状態だったのだろう。

今なら偶然の膝枕なんてどうって事はないことだが。

まだ小学生。冷やかすには過ぎることだ。

それに相手が悪かった。その女の子は6年生の中では人気があったらしく6年生の不良たちに目をつけられたのだ。

幸いすぐにその6年生は卒業していったので、何も無かったがそれ以来レクが嫌いだ。

それに今回は伝言ゲームときた。

これじゃ話すに話せない。なんでよりによって伝言ゲームなんだろう。

まあバスの中では椅子取りゲームなんかはできないわけだけど。

まず高校生になってレクってのもどうかと思うけれど。


バスは1時間ほどしてパーキングエリアに着いた。

もちろんここまでずっと伝言ゲームだ。さすがに1時間伝言ゲームはみんなつらかったようで、最後の方は自由時間みたいなものだったが。

僕は彼女に話しかけれなかった。

レクなんてなくてもきっと話しかけれなかっただろう。

彼女から話しかけないでと言うか、何か人を拒絶するオーラが出ていたから。

だから僕は彼女の横顔を彼女に気づかれないように覗くので精一杯だった。

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