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君色スカイ  作者: 悠太
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きっかけ(香苗サイド5話)

自己紹介の後はおしゃべりTIMEになった。

これは担任のサトちゃんの意見で、自己紹介を聞いただけじゃ誰が委員長にあってるのかわからないだろうから一時間自由に話をしてみなさいとのことだ。

これはチャンス到来である。

自由におしゃべりTIMEとなれば、自然に気になる彼に話しかけられるからだ。

自己紹介でもわかったと思うけど、いきなり男の子に声をかけられるほど私はメンタル強くない。

そこにこのおしゃべりTIME。

話しかけるしかない。

でもいざ話しかけるとなると何を話せばいいかわからない。

でも話しかけたい。

でも何を話すの?

そんな無限ループを何回か繰り返したあと私は声をかけた。

「バスケ部なの?」

え?私なに言ってんだろ。

さっき自己紹介でバスケ部だって言ってたジャン。

言ってたこときいてどうすんのさ。

聞いてなかったんだと思われるかも。

「バスケ部だけど」

それは知ってるんだけど。

「そ、そうなんだ」

やっちゃった。

そうなんだ。って会話終わっちゃうじゃん。

私の馬鹿。

「てか、さっき自己紹介で言ってたじゃん。」

うわ。絶対聞いてなかったと思われてるよ。

私ホント馬鹿だ。

「あ、ごめんなさい。」

きっと今頃私の顔は、彼とはなしている緊張と今の会話のミスの動揺で真っ赤になっているだろう。

「別に謝らなくてもいいんだけどさ(笑)」

ぽ~。

彼の笑顔はかわいい。

いつもは結構強面なタイプなのに、笑うと凄くかわいい。

私は意外とギャップに弱いのかもしれない。

彼ともっと話していたい。

そう思って私が次に発した言葉は

「初めて会ったの昨日なんだよ」

これは別に運命だ。とかといいたいわけではない。絶対に違う。

ただ彼との話題がこれしか思いつかなかった。

「どういうこと?」

そりゃそうだ。

いきなりそんなことを言われても困る。

「昨日の朝学校の前の坂ですれ違ったんだよ」

こんなことを言ってもわかるはずが無い。

私だって道ですれ違った人の顔なんてほとんど覚えてない。

「もしかして、犬の散歩してた?」

え?

嘘。覚えててくれた。

凄くうれしい。これってやっぱり運命。

自分だけ運命だとか思っているのも恥ずかしいから、私はうれしい気持ちを押し殺してできるだけ平然と「うん」とだけ答えた。

でもきっと、隠しきれていない。

私は感情が顔に出やすいタイプだ。

うれしいときも悲しいときも。

すぐ顔にでる。

そのおかげで、悲しいときや悩んでいるときはすぐに友達が気づいてくれる。

でもそのせいで、人を傷つけてしまうことも今まで何度かあった。

私は自分が嫌いだ。

私は腹黒い女だ。私は二人居る。外側と内側。表面と内面。

そんな二人だ。表の私はできる限りいい人になろうとする。

でも内の私は自分が嫌いなものは嫌い。やりたくないものはやらない。まあ正直だ。

でも人に嫌われたくない表が内を隠している。

でも時々、内が表に顔を出す。

そんな私が嫌いだ。

なんだか自分にも周りの人にも嘘をついているみたいだ。

自分に素直になりたい。でもできない。本当の私は醜いから。嫌われたくないから。


でもそんな私も、彼の前では素直になれるような気がした。

彼はそんな力を持っている気が私はした。





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