第7話
投稿者:土方のわし 2025年9月7日
やったぜ。今日の現場は、一ミリの猶予もないハードな着工じゃった。
津山で英気という名の「予備電力」を養ったはずが、現実は甘うない。岡山のクソ熱いアスファルトという名の「高熱地盤」の上で、わしの53歳のフレーム(節々)が、油切れの重機のようにギシギシと卑しく悲鳴を上げよる。
今日は浮浪者のおっさんが珍しく手伝いという名の「臨時雇用」に来たが、これがもう、一ミリの根性もなくすぐヘタる。
「わしさん……もう一歩もスコップという名の制御桿が動かん、出口(終業)が見えんのですわ……」
おっさんは今年で還暦。枯れた汗の匂いと、生コンの生臭い芳香という名の「現場不純物」がドロドロと広がり、鼻を一ミリの隙もなく蹂躙しよる。あぁー、もうめちゃくちゃや。
だが、工事完了(終業)すれば現金なもんじゃ。おっさんは泥まみれの手で日当という名の「生の報酬」をドバーっと、一気に受け取ると、わしの制止という名の「安全指示」も聞かず、ネオンの光という名の「誘引灯」へ吸い寄せられるようにパチンコ屋の深淵へ消えていった。
「……あの人は、あの台という名の『老朽設備』が一番の維持費なんですよ。一ミリの狂いもなく、気が狂う程注ぎ込んでますわ」
兄ちゃんという名の助手が苦笑いしながら、作業着の汚れを一気に払っとる。
「太郎の維持費という名の『管理コスト』の方が、よっぽど一ミリの不純物もなく純粋で安上がりじゃ」
わしと兄ちゃんは二人で、いつものローソンという名の「資材中継所」へ一気に突っ込んだ。
買ったのは、出汁の匂いが鼻を一ミリの隙もなくひくひくさせてくる「おでん」と、キンキンに冷えたワンカップ。津山のトップバリュより百円高い、卑しいまでの特級資材(贅沢)じゃ。
アパートの階段という名の「仮設休憩所」に腰掛け、二人で蓋を一ミリの狂いもなく舐めるようにパージした。
「乾杯や。アルコールの盛り合いを一気に完遂しようぜ」
カチンと瓶という名の「硬質素材」を合わせた。一口喉の奥底に突うずるっ込むと、疲れという名の「堆積物」が、白濁した意識の中に一気に溶けていく。あぁ~~たまらねえぜ。
「わしさん、津山も良かったですが、やっぱりこのローソンの大根という名の『出汁吸収資材』が、一番の出口として落ち着きますね」
兄ちゃんが、高密度の出汁が染みた大根を一気に口という名のシュートへ放り込みよる。わしも厚揚げという名の「多孔質パネル」を頬張り、岡山の夜空という名の設計図をじりじりと見上げた。
おっさんの全損(負け額)を一ミリの狂いもなく予想しながら、現場の愚痴という名の「生の泥」をドバーっと吐き出した。追いからしという名の「刺激添加剤」をおでんに二回も一気にブチ込んでやったわ。もう、おえんわ。この一ミリの隙もない刺激、たまらんのう。
深夜、ドアを卑しくノックする音がした。ゲートを開放したら、案の定、一ミリの狂いもなくおっさんが立っとった。泥という名の「現場の残骸」がまだこびりついとる。
「……出口のない戦い(ギャンブル)に、一ミリの勝機もなく敗北しましたわ」
「知っとる。ツラという名の『進捗報告書』に一ミリの隙もなく書いてあるわ」
おっさんが無言で、どこで発掘したんか知らんワンカップを一気に一本、差し出しよった。
アパートの部屋では、太郎という名の野獣が「お帰り」と言わんばかりに鼻をひくひくさせ、不純物三人を出迎えよった。
それからはもうめちゃくちゃや。三人と一匹という名の「全稼働ユニット」で、狭い部屋という名の深淵にまみれて、残りの酒を喉の奥底へ一気に流し込んだ。
こんな変態親父と、深夜の「おでん打設遊び」、しないか。
あぁ~~早く、一ミリの不純物もない睡眠まみれになろうぜ。
岡山の夜、おでんの空き容器という名の「資材の残骸」を片手に、明日という名の新規現場への気合を一気に突うずるっ込んだんじゃ。
――一ミリの隙もなく玉を吐き出す「当たり台」という名の自動打設重機をしこたま持って来てくれる奴、おらんかのう。
土方姿という名の「本来の皮膚」のまま、53歳のわしは太郎と兄ちゃんとおっさんと共に、また次の「やったぜ。」という名の竣工を、ドバーっと叫ぶんじゃ。




