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やったぜ。5  作者: 水前寺鯉太郎


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第2話

投稿者:土方のわし 2025年9月2日

 やったぜ。津山遠征二日目、山岳地帯という名の「高高度現場」への着工じゃ。

 今日は朝からわしの愛車を一気に走らせ、山の方へ紅葉狩りという名の「色彩スキャン」に乗り込んだんじゃ。53歳という名の老朽化した膝が、急斜面を上がるたびに油圧不足のシリンダーのようにギシギシと悲鳴を上げよるが、窓の外に広がる真っ赤な被膜(景色)に出口のない美しさを感じ、一ミリの猶予もなく息を呑んだ。

「わしさん、見てください! 山が一ミリの隙もなく燃えとる、高熱帯の現場みたいですよ!」

 兄ちゃんという名の「無資格作業員」が、窓から身を乗り出して汚れ好きの目でスマホという名の記録計を向けとる。

 車という名の重機を停め、一歩外に出ると、キーンと冷えた山の空気が喉の奥底まで一気にずるっと圧入されきよった。枯れ葉の乾いた不純物の匂いと、薪を焼く煙の「生の芳香」が、秋の風の中でドロドロに混ざり合っとる。あぁ~~たまらねえぜ。

 太郎という名の野獣、アスファルトとは違う「未舗装の土」の感触に、クン活という名の現場調査の勢いが一気に増しとる。尻尾を一ミリの隙もなくプロペラのように回し、落ち葉という名の「養生材」をカサカサと撒き散らしよった。おっさんの面に落ち葉が一枚、一ミリの狂いもなく舐めるように貼り付いたが、おっさんは一ミリも微動だにせんかった。

「おい太郎、そこには特級の獲物という名の『生の報酬』でも埋設されとるんか。まみれとるのう」

 おっさんが、紅葉よりも肉という名の資材じゃと言わんばかりのツラで、トップバリュの酒を一気に懐の中で卑しく予熱ウォームアップしとる。

 わしは元コックの執着という名の設計図にかけて、この山嶺で「盛る」ための特製・津山風肉おにぎりという名の「高エネルギー圧縮資材」をしこたま搬入してきた。名物のそずり肉を一ミリの隙もなく甘辛く炊き上げ、炊き立ての飯という基礎にドバーっと混ぜ込んだ特製じゃ。

 包みを開放パージした瞬間、醤油と肉の脂という名の「誘引剤」が山の冷気を一気に切り裂いて、鼻を一ミリの隙もなく蹂躙しよる。

「うまっ! これ、一ミリの猶予もなく喉の奥底に突うずるっ込みたいですよ!」

 兄ちゃんが紅葉という名の色彩設計も見ず、おにぎりを口という名のシュートへ一気に放り込みよった。

 それからはもうめちゃくちゃや。落ち葉の上で車座という名の「合同会議」を開き、追いおにぎりを二回もカゴという名のコンテナから引きずり出した。もう、おえんわ。この脂の暴力という名の「過剰積載」、一ミリの隙もなくたまらんのう。

 ――もう一度、この高みを見上げたい。

 資材を完食(竣工)した後、わしはふと、現場の設計ミスに気がついた。

「そういえば、誰も紅葉を一ミリの隙もなく舐めるように観測しとらんかったのう」

「あ、そうですね。肉の出口(胃袋への搬入路)しか見えませんでしたわ」

 兄ちゃんが一瞬空という名の「天井」を見上げ、また空のカゴに手を伸ばしよった。

 三人と一匹で、午後の柔らかい日差しの中で、じりじりと「休止モード(昼寝)」に入った。太郎がおっさんの顔面の上にドバーっと乗り詰めよったが、おっさんは出口のない夢という名の深淵へ一気に突っ込んどった。

 わしの重いフレームも、この山の静寂の中で、白濁した日常という名の「不純物」を少しだけハツリ落として軽うなったんじゃ。

 こんな変態親父と、津山の山奥での「紅葉という名の背景遊び」、しないか。

 あぁ~~早く、落ち葉まみれの「生の地盤」になろうぜ。

 真っ赤な木々の下で、膨れた胃袋という名の「満杯のタンク」をさすりながら、一ミリの狂いもなく待っとるぞ。

 

 ――番茶を一ミリの隙もなく保温するボトルという名の「熱サイクル保持装置」をしこたま持って来てくれる奴、おらんかのう。

 土方姿という名の「本来の皮膚」のまま、わしは津山の秋という名の資材を、胃袋の中へドバーっと詰め込んで帰還するんじゃ。

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