表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/41

第五章-影が走る城内-

帝国王城の夜は静かだ。


重い扉。

高い天井。

灯りは最小。


だが一枚の書類だけが、机の上で止まっている。


黒百合。


仮面の剣士。


夜間襲撃。


複数の将校が討たれた。


第一王子ノアは紙を持ち上げる。


「……黒百合か」


小さく笑う。


興味。


それだけ。


恐れはない。


怒りもない。


ただ、新しい刃の匂いを嗅いだ獣のような目。


「面白い」


書類を閉じる。


「強いのか?」


独り言のように。


答えは書かれていない。


窓辺に立つ第一王女リュナが、夜を見ている。


月明かりが横顔を照らす。


「影は、光があってこそ生まれる」


穏やかな声。


ノアは肩をすくめる。


「なら、光を強くすればいい」


机に書類を戻す。


「出てきたなら斬る。それだけだ」


軽い。


本気ではない。


まだ遊びの範囲。


リュナは振り返らない。


唇に、ごくわずかな弧。


「……さて」


それ以上は言わない。


城は静まり返る。


だが影は、確かに動き始めている。


誰も知らない。


仮面の奥の顔も。


その棘も。


夜は深い。


王城の灯りは消えない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ