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緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
最終章

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71 戦闘準備

 私が提案したのは、荒地を森に変えることだった。

 森にしてしまえば、相手の主力である重装騎兵隊の有利な戦場ではなくなる。グリューンが言う。


「聖女殿、そんなことが可能なのか?」

「大丈夫です。それには少し協力が必要です。まずは・・・」


 赤ドラと白ドラの指示どおりに動き出す。

 まずはハイエルフの里からハイエルフに大量の木の実を持って来てもらうように連絡した。そして次の日には女王自ら、精鋭100名のハイエルフ部隊が到着した。


「女王よ、礼を言う」

「恩を受けたままではいけませんからね。それに森を作るのでしょう?そんな歴史的瞬間に立ち会うことができることは至上の喜びです。世界樹様も最大限協力せよとのことですしね」


 ハイエルフたちの中には、私程ではないが、それなりに植物スキルを使える者がいた。

 その者たちと共に木の実を植えて発芽させ、「成長加速」のスキルでどんどんと森を作っていく。残ったエルフたちは森に結界を張ったり、通り道を作ったりしてくれた。木を植えることも大事だが、森を作ることは全体の設計も大事だからね。


 そんな感じで3日もしない内に城壁のような森が完成した。

 住民から驚きの声が上がる。


「奇跡だ」

「ああ・・・夢でも見ているようだな」

「御伽噺みたいね・・・」


 ハイエルフたちも感慨深そうだった。


「帰らずの森を作って以降、森を作るなんてありませんでした。このような機会をくださった聖女様とネフィス様には感謝しかありません」


 森の完成に盛り上がっている中、グリューンが言う。


「森が完成したことは喜ばしいことだ。しかし、報告によると後一週間もしない内に帝国軍の本隊がやって来るようだ。だから早急に罠を設置し、防衛線を構築しなければならないのだが・・・」


 グリューンが一旦、話を切った。


「しかし、1日くらいならいいだろう。宴を開こう」


 全員が歓声を上げる。

 まあ、いつもの流れでそうなるだろうとは思っていたけどね・・・


 宴会が始まると、タンタカさんがやってきた。

 自然と話が盛り上がる。


「それにしても、こんな状況で宴会をするなんて、びっくりですよ」

「そうですね。でも慣れたら、これもこれでありかなと思いますね」

「そういうものなんですね」

「特にゴブリンたちは、今を楽しむことを大事にしますからね。今でこそ、ゴブリンたちは楽しそうに暮らしていますが、私がこの地にやってきた時は本当に酷かったんですよ。食料危機で・・・」


 自然と昔話をしてしまった。

 だんだんと感情が昂ってくる。


「だからこそ、理不尽に故郷を奪われるなんて許せないんです。勇者がどんな奴か知りませんが、私にはテロリストか狂人にしか思えません。私たちの幸せを奪うなんて、絶対に許せない・・・もし目の前に現れたら、ネフィス様には生け捕りにするように言われていますが、1発や2発は殴ってやらないと気が済みません」


 タンタカさんを見ると、ちょっと引いていた。


「ご、ごめんなさい・・・それくらい、この町や神聖ネフィス教国が大切ってことですから・・・」

「わ、分かります・・・わ、私も微力ながら頑張ります」


 少し変な雰囲気になったので、タンタカさんとの会話はそれで終わってしまった。

 やはり、理不尽に幸せを奪われることは許せない。



 ★★★


 一夜明けて、早速防衛線を構築していく。

 アラクネたちがスキルの糸で罠を作ったり、ハイエルフたちが簡易の結界を張って、道に迷わせるようにする。それに合わせて、配置する人員を決めていく。


 森での活動に適したハイエルフや栗鼠人族を中心に、足らずはゴブリンを主軸に様々な種族の混成部隊を配置していく。もちろん補給線も万全だ。こちらはケンタウロス族の女性部隊とウリたちが主力となる。まあ、森を突破されるような事態になれば、潔く町を放棄して城壁を利用した籠城戦に切り替えるんだけどね。


 城壁を利用した籠城戦となれば、まず負けはしない。

 それに食料も私がいるし、スズキタウンから輸送すれば困ることはないからね。



 そしてとうとう、運命の日がやってきた。

 グリューンが整列した部隊を前に演説する。


「時は来た。我らの故郷に一歩たりとも、立ち入らせるな!!総員配置につけ!!」

「「「オオオオー!!」」」


 全員が配置についく。

 そんな中、タンタカさんとすれ違った。声を掛ける。


「タンタカさんもお気をつけて。決して無理はしないでください。最悪、ここを突破されても何とかなりますからね」

「分かりました。でも私はこの町が好きです。聖女様の気持ちも今ではよく分かります。私だって、こんな理不尽なことは許せませんからね」


 タンタカさんは、スレイに乗り、編成されたケンタウロス族とアラクネ族の混成部隊に戻って行った。


 私は本部でグリューンの補佐をすることになる。

 ここまで来たら、私には祈ることしかできない。

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