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緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
第四章 故郷へ

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44 神聖ネフィス教国

 ~冒険者レッド視点~


 教会からの調査依頼を達成した私たちに再び指名依頼が舞い込んだ。

 今度の依頼は聖女と接触して、教会の神託を聖女に伝えるというものだった。そして、あわよくば聖女を教会まで連れて来てほしいとの依頼だ。

 金髪で元商人のゴールドが悪態をつく。


「ふざけるなよ!!何でそんな危険な依頼を俺たちが受けなくちゃならないんだ?教会で勝手にやればいいんだよ」

「ゴールド、それには事情があるみたいなのよ・・・」


 教会は私たちの情報を元に魔族たちが聖地と呼んでいた場所に大量の神官騎士を送り込んだそうだ。

 しかし、これは失敗に終わる。帰らずの森を管理するハイエルフの逆鱗に触れたようだ。


「大量の神官騎士が常駐することを認められなかったらしいわ。交渉の結果、5人以下なら駐留を認めるって話になったみたいだけど・・・」

「魔族と戦闘になった時、そんな人数じゃ、命がいくつあっても足りないぜ。だから、そのリスクを俺たちに回してきたんだろうさ」

「それはそうだけど・・・指名依頼だし、断れないからね・・・」


 私も十分に分かっている。

 でも指名依頼、それも教会の指名依頼は絶対に断れない。そんなことをしたら、冒険者稼業は廃業だ。こんなことになるなら、あの時「情報なし」で報告すればよかったとさえ思ってしまう。

 でも今は、そんなことを言っていられない。愚痴はやめて、今後どうするかをパーティーで真剣に話し合うことになった。


 私たちが選んだのは、とにかく情報収集することだった。

 聖地に連日張り込み、やってきた魔族の会話から情報を集めた。その結果、聖地には緑の聖女も偶にやって来るという情報を掴んだ。


「聖女が聖地にやって来たら、一か八か接触しようと思うの・・・危険だけど」


 青髪で元神官のブルーが賛成する。


「それがいいと思います。これまで魔族を見てきて、ネフィスとかいう女神への信仰心は高いので、それを利用するのも手かもしれませんね」

「信仰心を利用するなんて、とんだ神官だな?そりゃあ、教会を追い出されるぜ」

「ゴールド!!それ以上言うと殴るわよ!!」


 ブラックが二人を諫めた。


「すぐに逃げられる準備することは必須ですね。最悪、私が殿を務めます。三人は私を気にせず、逃げてください」


 他に手はないし、この案を採用することにした。


 ★★★


 そして今日、聖女が聖地にやってきた。

 私たちは気づかないフリをして、怪しげな女神像に祈りを捧げていた。これはブルーの案だ。お祈りをしている私たちにいきなり魔族が攻撃してくることはないと判断したからだ。作戦は上手くいき、私たちの話を聞いてくれることになった。


「教会に神託がなされました。内容は『聖女よ。世界を救え』との内容です。それをお伝えしたくて、ここに参ったのです。そして、できましたら私たちと一緒に教会まで同行してほしいのです」


 すると聖女は困った顔で言った。


「そうなんですか?でも、私がこの国を離れるわけにはいきませんし・・・」

「そこを何とかお願いします。世界の危機なのです」


 何が危機なのかは分からないけど、切迫感を出すために言ってみた。


「具体的には?」

「・・・それは・・・」


 痛い所を突かれた。

 ゴールドが助け舟に入ってくれた。


「聖女様、世界を救えってことは危機ってことですよ。神託自体が曖昧なんで、具体的には示されてませんが、感覚的にヤバいですし、大変なことが起きます。過去の例から考えて、多分ヤバいです。絶対にヤバいことになります。だからお願いします」


 流石は元商人のゴールドだ。「ヤバい」としか言っていないが、妙に説得力がある。


「そうなんですか?私はネフィス様から、『できる範囲で、目の前の困っている人を助けてあげればいい』と啓示を受けたのですが、情勢が変わったのでしょうか?」


 ネフィスに啓示を受けたって!?

 何を言っているんだ?


「先程、教会と言われましたが、そちらにもネフィス様をお祀りしている神殿のようなものがあるのでしょうか?」


 答えに窮していると、ブルーが会話に入ってくれた。


「教会というのは、ララーナ教会のことです。この世界を御造りになった創造神ララーナ様を信仰しています。私はララーナ教会の神官をしていたこともありましたが、ネフィス様というのは聞いたことがないのです。不勉強で申し訳ありませんが、ネフィス様について教えてもらえませんでしょうか?」


 流石はブルーだ。それとなく、情報収集している。


「そうなんですね。ララーナ様には一度お会いしたことがあります。私をこちらの世界に転生させていただいたのが、ララーナ様です。それとネフィス様はララーナ様の上司に当たる神様です。多分、かなり高位の神様なので、この世界のことはララーナ様に任せていらっしゃるのかもしれませんね」


 創造神ララーナの上司が女神ネフィス?

 もう思考が追いつかない。


 ここまでの話をまとめると、緑の聖女は創造神ララーナよりも上位の神から使命を授かったということだろう。となると、神託と女神ネフィスの言葉はどっちが上なんだ?


 そんなことを思っていると、ゴブリンの少女が口を開いた。


「なるほど・・・つまり、貴方たちは信仰とは何かを探求しに来たということですね?ネフィス様に興味があるということですね?」


 どうしたら、今までの話からそんな結論になるんだ?

 でも違うとは言いづらい。ブルーが話を合わせる。


「ララーナ様の意図は分かり兼ねますが、もしかしたら、私たちにネフィス様について学べということかもしれません。詳しく話を聞きたいのですが・・・」

「いい心掛けです。では、神聖ネフィス教国の聖都スズキタウンにご案内させていただきますね。そこで私が信仰とは何か、ネフィス様とは何かについて教えて差し上げましょう」


 私はパーティーメンバーを見回した。皆、予想外の出来事に唖然としている。

 ここで「結構です」とは言えない。


 こうして私たちは、魔族たちと同行することになった。

 これって、捕虜じゃないよね?

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