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秘密の報告書  作者: 藤岡
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02月01日

今日は土曜日。

世間の多くは休日だと喜んでいるのだろうか。

たまにある一日休みの日。

それが毎週二日も与えられる、と聞けば喜ぶ気持ちも分かる。

羨ましいとは思わない。

俺は休みの日が特別好きなわけではないから。

家を持つ仲間達は、どこかへ出掛けたり、買い物に行って過ごすらしい。

だが俺は、この山奥の拠点で過ごしている。

なぜかって?ここが俺の家だからだよ。

外に行く時は誰かと一緒じゃなければならない。

それは、俺が方向音痴だからだ。

一般常識や最低限のマナー等はある程度身につけたつもりだが、世間知らず過ぎるんだよな、俺は。

最近ではなんでもスマートフォンで済ますことが出来ると聞く。

俺はそれを使いこなせないし、現金でのやり取りの方がいいんだけど時代遅れってやつなのかな。

電車には乗ったことが……あるかな。

でもそれは幼い頃の話で、全く記憶に無い。

バスもそうだし、タクシーに乗るくらいなら自分の車でいいし。

とにかく街に出ると知らない事や出来ない事が多すぎて、楽しむ気持ちよりも先に疲れを感じてしまうんだ。

だから、ここで静かに本を読んだり、普段は出来ない昼寝をしてみたりするんだけど……。

昼寝は駄目だな。寝すぎてしまう。

いつも夜に眠れなくなって翌日地獄を見るんだよな。

だから最近の休日の過ごした方では、読書が一番の楽しみかもしれないな。

俺の部屋には沢山の本が重ねて置かれている。

本棚を新調したいんだけど、毎回忘れちゃうんだよな。

夜になって思い出して後悔する。

その時に注文すればいいって?

そうだな、でもこれも誰かにやってもらわなきゃ買えないんだよな。

本当に俺は駄目な人間だな。

一人じゃ何も出来ない。

それは皆同じだと教祖様に言われた事があるが、俺は誰よりも何も出来ないんだ。

でも、それで良いと言ってくれた。

一人で出来ることをゆっくりと増やしていけばいいと。

教祖様は太陽のような笑顔を向けた。

俺の心はポカポカとした優しい温もりを感じたんだ。


だけどどこかぽっかりと穴があいているような気分だ。

なんなんだろうな。この言葉では言い表し難い気持ち。

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