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秘密の報告書  作者: 藤岡
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10月02日

重要事項


教祖様が出かける時に俺に付いてくるように言った。

光司も一緒にだ。


車に乗り込んだ光司は下を向き手を震わせていた。

そんな光司を抱き寄せながら俺たちはただ居心地の悪い揺れに耐えていたんだ。


到着したのは都内にある立派な屋敷だった。

俺はこの時点で色々と察してしまった。

だけど引き返すことはできない。

吸い込まれるようにして門を潜る車はまるで動く牢獄だ。


屋敷内に入ると一斉に頭を下げる男達。

一番奥に座る男を俺は知っている。


教祖様が座りその少し後ろに俺と光司が座る。

俺たちの後ろには幹部が立ち、囲むようにしてこの屋敷の組員たちがいつでも動けるように目を光らせていた。


重要事項というのは教祖様とあの男の会話だ。

要約すると、よからぬビジネスを再開しようとしているみたいだ。

そのビジネス内容は児童斡旋。


信者を強制的に協力者になるよう仕向けるのがこの男たちの役目。

その対象は子供がいる家庭。

協力者となった両親は他の協力者とは変わらない扱いを受け、残された子供は海外へ売られたり、誰かの体の中で生きることになる。

孤幸教は信者のデータを渡し、この男がその中から選ぶんだ。


これは俺が教団に入った後からほんの数年前まで頻繁に行われていたのだが、ある時ピタッとその流れが止まったんだ。

俺は教団、教祖様とこの男たちの手が切れたのだと思っていたがどうやら違ったようだ。


警察が嗅ぎ付け今か今かと待ち構えているという情報を得たこの男達は休息期間を設けた。

その間にも行われていた大人の人身売買等にもこいつらが関わっているはずなのだが、正直他にも複数いるので休息期間中にも関わっていたのかは分からない。


ただ一つ言えるのは、こいつ達はまた子供を地獄へ落とそうとしているという事だ。


どうして光司を連れてこさせたのか。

帰り道教祖様は息抜きだよなんて言っていたが違う。

これは、いずれ光司にこの仕事をさせるという俺への忠告。

この話を聞いてしまった光司は絶対に外に出さないという事を俺に伝えたかったんだ。

それに加え、教団には強い味方がいると俺に再認識させるように仕向けた。

俺も光司と同じ。逃げられないぞと言われたような気分だ。


教祖様は心配症だな。

俺は教団から逃げるつもりなんて無いのに。

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